やはりクルマの究極の販売形態はワンオフ製作
ワールドプレミアと同時に、すでに全車完売という発表が行われる限定車も、最近のスーパーカーやハイパーカーでは珍しくはないが、その先陣を切ったのはやはりフェラーリだ。
フェラーリのカスタマーは、最新モデルを最初のロットで、あるいは限定モデルを優先的に購入できるようになって一人前とはよく聞かれる話だが、たしかにいくらお金を持っていても、いきなりラ フェラーリのようなスペチアーレを購入できる可能性は限りなくゼロに近い。実際にそれらを購入できるカスタマーには、フェラーリとの間に一定期間は転売禁止の契約も結ばれるというから、それがオークションなどに出まわるまで、彼らはひたすら購入のチャンスを待たなければならないことになる。
そのオークションで量産第一号車を出品する手法は、特にアメリカではよく行われているもの。先日もGMがシボレーの2023年モデル、コルベットZ06コンバーチブルの第1号車をオークションに出品。
落札額は先にやはりオークションで落札されたシボレー・コルベット70thアニバーサリーエディションと合計で460万ドル、約5億8000万円に達し、この中の収益金から100万ドルはサーグッド・マーシャル・カレッジ基金へと寄付された。
さまざまな手法があるプレミアムブランド車の販売方法だが、その究極はやはりフェラーリのワンオフシリーズということになるのだろか。フェラーリにワンオフモデルの製作を認められたフェラーリスタの頂点に位置する者にのみアクセスが可能なそのプログラムは、カスタマーのイメージする夢のフェラーリを、同社のデザイン部門のみならず、エンジニアリング部門とともに生み出すというもの。
かつてさまざまなカロッツェリアがフェラーリのシャシーをベースにボディの美しさを競ったかのように、現代にもまた存在するワンオフフェラーリの世界。ライバル他社もまた、それに追従したビジネスをスタートさせているのは、誰もがよく知るところだ。