当初のヒエラルキーとは意味合いが変わってきている 当初の基準では、「GRスポーツ」はトヨタの量産モデルを基本にエアロパーツやサスペンションでスポーティに仕上げたスポーツコンバージョンモデル。
「GR」はGRスポーツの基準にドライブトレイン(トランスミッションのギヤ比やLSDなど)まで手を入れた、よりスポーツ度の高いモデル。
そして「GRMN」はエンジンまで手を入れた純度の高いモデルで、台数限定を基本とした究極のスポーツカーとされていた。
ただし、現在では少々変わってきた。GRスポーツが、スポーツコンバージョン仕様であることは当初からそのままだが、「GR」については実質的にGRカンパニーが企画したスポーツカーに使われる名称となっている。つまり「GRスープラ」、「GR 86」、「GRヤリス」といった量産スポーツカーがGRに分類されるというわけだ。
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現時点では「GRMN」を冠しているのはGRNMヤリスのみ。GRカンパニーの企画したスポーツカーを究極的にバージョンアップした仕様に与えられるといえる。
その内容は、最高出力こそGRヤリスと同じ200kWだが、最大トルクは390Nm(ベース車は370Nm)まで引き上げられ、クロスミッション、機械式LSDなど駆動系も強化された仕様となっている。
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余談ながら、GRMNヤリスはマーケティング名称であり、届出等に関わる名称は、GRヤリス GRMNとなっていることは豆知識として覚えておきたい。
「GRMN」は“GAZOO Racing Meister of Nürburgring”を縮めたもの。GAZOO Racingの原点であるニュルブルクリンク耐久レースで鍛え抜かれた開発陣の心意気を感じさせる。最新のGRMNヤリスについては、TGRレーシングドライバーである大嶋和也選手、石浦宏明選手、勝田範彦選手、佐々木雅弘選手、そしてマスタードライバーであるモリゾウ選手によって鍛え上げられたということだ。