この記事をまとめると
■Sクラスミニバンの売れ筋2台の3列目シートが使えるかをジャッジ
■3列目に乗ること自体は問題ないが、長距離長時間移動は我慢が必要だろう
■車内空間ではシエンタ、走りという意味ではフリードが若干有利かもしれない
Sクラスミニバンの3列目は満足に使えるのか
2022年はミニバンがブーム復活の狼煙を上げる1年になりそうだ。1月に多人数乗車可能なファミリーカーの定番と言えるMクラスボックス型ミニバンの4代目トヨタ・ノア&ヴォクシー、5月には同6代目ホンダ・ステップワゴンが発売され、どちらも大ブレイク必至。トヨタ・アルファードがクラウンなどの高級サルーンに代わるVIPカーとなっているのも周知のとおり。
しかし、忘れてはいけないのが、ファミリーカーとして根強い人気を誇る、Sクラスミニバンだ。2022年4月の乗用車販売ランキングでも、フリード8位、シエンタ11位と、デビューから年数が経っているにもかかわらず(シエンタ2015~、フリード2016~)、依然として売れ続けているのだ。シエンタに至っては、2018年のMCで、フリード+に相当する2列シート仕様のFUNBASEを追加したこともあって、2019年8月、9月には、プリウスやノートを押さえての乗用車販売台数NO.1に輝いたほど。
もちろん、Sクラスのコンパクトミニバンとはいえ、3列シートを備え、2列目席キャプテン、ベンチシートによって6~7人乗りとなっている。が、アルファードやステップワゴンクラスならともかく、ミニバンとして、本当に3列シートをしっかりと使い切れるのか? 大人でも3列目席に快適に座れるのか? という疑問を持つ人もいるはずだ。
そこで、筆者の試乗、計測による、シエンタとフリードの室内空間、2/3列目席の居住空間について、その真実をお伝えすることにしたい。
まず、大前提として、Sクラスのミニバンのメリットとしては、安い、5ナンバーサイズで取りまわしがよい、狭い道でも走りやすい、駐車しやすい、比較的燃費がよい……ということになる。ノア&ヴォクシーやステップワゴンだって視界の高さ、ボディの見切りの良さから走りやすさは文句ないし、それこそ世にはアルファードをスイスイ走らせている奥様だっているわけだ。
それでも、予算や自宅の駐車スペースの関係で、5ナンバーのコンパクトミニバンがわが家にはジャストと考える人はいるはずである。