この記事をまとめると
■10年以上生産された国産車をピックアップ
■ジムニーやジープなど用途が決まっているクルマは長年製造されやすい
■スバル360は自動車の進化が著しかった時代でも10年以上生産された
モデルチェンジをせずに長年売られる本当の理由
クルマの進化には世代交代が必要だ。長生きは素晴らしいが、進化するには、フルモデルチェンジも欠かせない。その意味で、長期間にわたりフルモデルチェンジをしないで生産された車種は、開発された時点で、普遍的な先進性を備えていたということだ。
直近で思い当たる長寿モデルは先代ジムニーだ。1998年に発売され、現行型が登場する2018年まで、約20年にわたり生産された。
ジムニーは日本の林道に適した悪路を走るためのSUVで、1970年に発売された初代モデル以来、位置付けは一貫して変わらない。市場の好みの変化に応じて車両の性格を変える必要がないから、生産期間を長く保ちやすい。
この典型が三菱ジープだ。自衛隊のツールでもあるから、フルモデルチェンジを行って使い勝手が変わったり、今まで使用できたパーツが対応しなくなると困る。そのために、1950年代から1990年代の後半まで、40年以上にわたり、フルモデルチェンジをしないで生産を続けた。
当時のジープで舗装路を走ると、ステアリング操作に対する反応が鈍く(ハンドルが反応しないアソビが大きい)、乗り心地は前後方向に揺すられる。まさにクラシックカーだが、悪路に乗り入れると、欠点がすべて長所に激変する。ここまでの価値があれば、40年以上にわたって造られたことも納得できる。