スバル3年ぶりの復帰でニュル24時間レースに期待大! 大波乱の予選レースでBMW M軍団が大暴れ (2/2ページ)

スバルはクラストップで予選を終える好調なスタート

 2日目に行われた夜間セッションを含む3時間のQFレース1は、72号車BMWジュニアチームが優勝している。24時間レース本線のグリッドを決めるQFレース2のポールポジションは101号車ワーケンホルストM4 GT3が獲得し、BMW勢優勢が明白になっていった。しかし、3時間レースの後にQFレース2トップチェッカーを受けた72号車BMWジュニアチームBMW M4 GT3に、コード60下の速度超過があったとしてペナルティ40秒が加算され、PP獲得は幻になってしまう。これで繰り上がったのは、3号車ゲットスピードのAMG GT3で決勝レースのポールポジションを獲得した。

 とくに、QFレース2の後半は、15km〜17km地点の山岳部でダブルイエローとコード60が頻繁に出され、アクシデントで止まってしまったマシンの搬出やロードクリアランスに時間がかかっていた。ポールシッターだった101号車M4 GT3も、この時間帯にクラッシュしてリタイヤとなっている。さらに終了間際には、16km先のコースサイドグリーンで清掃作業を行っていたマーシャルが突然意識を失って倒れ、レスキュー隊が懸命に蘇生処置を行ったものの、帰らぬ人となる不測の事故が発生している。

 最終結果こそ不本意なものであったと想像するが、BMW M4 GT3の速さは本物であり、24日の公式予選からスタートする24時間レースでは本命視されるだろう。もちろん、AMG、ポルシェ、アウディなどほかのSP9クラスのトップコンテンダーたちも黙って見ているはずはなく、白熱した展開が期待されるところだ。

 SUBARU/STIチームのSUBARU WRX STIは、これまで通りSP3T(排気量2リッター未満のターボ車)クラスにエントリーしたが、80kgの重量増を受け入れながらも競争力アップを目論んでタイヤ幅、タイヤ外径を拡大し、より安定感の高い仕様に仕上げられている。電動パワステや追突防止モニターなど、新しいデバイスも追加し、クラス優勝はもとよりこれまで以上の周回数で完走することを目標に掲げている。

 ドライバーは、お馴染みのカルロ・ヴァン・ダム(オランダ)、ティム・シュリック(ドイツ)にチーム復帰を果たしたマルセル・ラッセー(ドイツ)、同様に再登場の佐々木孝太(日本)の4名をラインアップしている。久しぶりのニュルとなった2度の予選セッションでは、ドライバー4名の慣熟を進め、マシンにトラブルや不具合がないことの確認も済ませている。

 2日目の作業終了が午前0時過ぎであり、3日目のウォームアップ開始が早朝8時過ぎからあるため、チームメンバーの疲労に考慮して最終日午前の走行をキャンセル。QFレース2は、トップクォリファイを走らなかったため、決勝に進んだ73台中の67番手からレースをスタート。ヴァン・ダム、シュリック、佐々木、ラッセーとバトンを繋ぎ、総合30位でチェッカーを受けた。しかし、72号車と同様、終盤にコード60下の速度超過違反3回により、40秒のペナルティタイムが加えられ、SP3Tクラストップ、総合31位完走という記録を残すこととなった。


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