この記事をまとめると
■いまキッチンカーが人気を集めている
■キッチンカーの開業に必要な資格や準備について解説
■初期投資や収入についても述べる
東京都内での出店数は10年で約2倍に
クレープやかき氷、カレーにケバブに窯焼きピザ。もう想像するだけでお腹が鳴ってしまいそうなグルメが街角やアウトドアなどで手軽に買える、オシャレなキッチンカーが大人気となっています。キッチンカーそのものが主役の「キッチンカーフェスティバル」といったイベントまで開催されるほどで、出店数も東京都内では2011年から10年で約2倍の4600台超まで伸びています。コロナ禍で商業施設への客足が遠のく中、キッチンカーならお客さんがいる場所へ自ら移動して商売ができるということや、店舗を構えるよりも開業資金が抑えられることなどから、店舗からキッチンカーへの乗り換えや、副業感覚での開業も増えていると言わています。
ではキッチンカーの開業にはどんな資格や準備が必要なのでしょうか。実際にどのくらい儲かるのでしょうか。今回はざっくりと検証してみたいと思います。
最初のステップとして重要なのが、「何をどうやって売りたいのか」をしっかり検討することです。これによって、保健所での営業許可申請の種類が変わってきたり、必要なキッチンカーの規模も変わってくるからです。例えばクレープやケバブ、焼き鳥やたこ焼きなど、キッチンカーの車内での調理加工が必要なものであれば、「食品営業自動車」の許可を申請することになり、設備もそれ相応のものを揃えることになります。提供するメニューに応じて、喫茶店営業、飲食店営業、菓子製造業のいずれかを取得することになります。
一方、お弁当やパン、惣菜など車内での調理が不要で、あらかじめ包装されているものを販売する場合は、食品移動自動車の営業許可を取得します。こちらも乳類販売業、食肉販売業、魚介類販売業、食品等販売業といった種類があります。
こちらの許可で注意したいのは、各都道府県ごとに申請が必要だということ。たとえば千葉県なら、キッチンカーの保管場所が千葉市内になっているか、主たる営業場所が千葉市内の場合には、千葉市保健所への申請で、営業区域が「千葉県内一円」の食品営業許可が必要です。ただ、その許可を持っているからといって、埼玉県での営業ができるわけではなく、新たに埼玉県での許可申請が必要となります。
このほか、キッチンカー1台につき1人、食品衛生責任者の資格が必要です。2年ごとに食品衛生責任者に向けた講習会を受講して、資格の保持をすることも必要となります。