この記事をまとめると
■愛車にチューニングを施しているというクルマ好きは少なくない
■しかしチューニングカーはノーマル状態の車種に比べてリセールバリューが低い
■その理由を3つ挙げて解説する
車検に通るか否かの判断が難しい
チューニングカーは、ノーマル状態の車種に比べて、売却時の価値が下がりやすい。つまりリセールバリューが低い。この背景には3つの理由がある。
まず需要が少ないことだ。ノーマル状態の中古車は、いわば万人向けで、さまざまなユーザーが購入しやすい。しかしチューニングカーは、特定の用途や好みに合わせて手を加えているから、相性の良いユーザーが限られる。
2つ目の理由は、法規に対応して、車検に通るか否かの判断が難しいことだ。新車の販売店では、チューニングカーについて、以下のように述べている。「お客様の愛車を下取りする場合、チューニングやドレスアップされたクルマは、査定が下がる。法令遵守が厳しく求められ、下取りするには、ノーマル状態に戻す必要があるからだ。従ってホイールなどを車外品に交換する時は、必ず純正パーツを保管して欲しい。ノーマル状態に復元できれば、査定は下がらない」。
3つ目の理由は、チューニングされていると、過酷に使われている心配が生じることだ。頻繁にサーキット走行をすれば、穏やかに使われた車両に比べて、同じ走行距離でも各部の疲労が進む。メンテナンスの仕方によっても疲労度は大きく変わるが、買い取る側としては、その内容まで分からない。査定額を低く抑えることで、損失を抑えようと考える。
従ってチューニングやドレスアップを施した車両は、その価値が分かる相手に売却することが大切だ。精通している業者なら、商品価値を理解できるから、新車の販売店に下取りさせるよりも高値になる可能性がある。
このことは、これからチューニングやドレスアップをしたいユーザーの立場で考えると分かりやすい。自分が理想としているチューニングやドレスアップを施した中古車に巡り合えたら、価格が少々高くても購入するだろう。ノーマル状態の中古車を購入して、新品のパーツを使って自分で手を加えるのに比べると、大幅に安く収まるからだ。そのユーザーにとっては、コンプリートカー(完成された車両)としての価値がある。
チューニングやドレスアップされた車両の販売ルートを持っている業者なら、ユーザーにとって適正な価格で買い取ることも可能になる。