この記事をまとめると
■大型トラックは100万km到達も珍しくないほど、商用車は長持ちすることが多い
■その理由のひとつはメンテナンスのしかたにある
■商用車のメンテナンスに学ぶ愛車を長持ちさせるコツを解説する
タクシーは50万km超え、大型トラックは100万km到達もザラ
商用車というのは長持ちだ。たとえばタクシーだと、50万km超えも当たり前。大型トラックも同様で、100万km到達も珍しくない。商用車は仕事の道具であり、購入は大きなコストでもあるのでメンテナンスをしっかりと行うのは当然で、その内容には乗用車にもフィードバックできる点がある。今回はそのポイントを紹介しよう。
大前提となる法定点検はタクシーや大型トラック、バスなどは3カ月点検と12カ月点検が義務。小型や中型トラックでも3カ月点検と12カ月点検が義務で、違反すると罰則がある。また項目が乗用車とは比べ物にならないほど膨大で、乗用車の12カ月点検では27項目なのに対して、タクシーや大型トラック、バスなどの3カ月点検では50項目。12カ月点検では100項目にもなる。ちなみに乗用車は24カ月点検でも57項目だ。
グリースアップが必要など、構造が違うと言ってしまえばそれまでだが、そもそも乗用車の場合、24カ月点検は車検点検とイコールなのでやるとしても、それ以外の点検はどれくらいのクルマが受けているだろうか。あまり受けていないのが現実だろう。
また、以前ドライバーに聞いたのは運行前に行う日常点検が意外に重要とのこと。いつも乗る前に見てられるか、と思うが、些細なレベルとはいえ、たとえばタイヤだと刺さった釘やトレッドの片減りなど不具合などを見つけることがあるという。
そのうえで、消耗品の交換は徹底的な時間と距離での管理が重要だ。乗用車の場合、たとえばオイルだとなんとなく前に替えてから時間が経ったなぁだったり、フィーリングが悪くなってきたから替えるかということも多い。そういった曖昧な判断ではなく、メーカーの指定、さらには担当の整備工場による独自の基準に従って交換していく。
つまり飛行機のメンテナンスと同じで、表から消耗具合がわからない消耗品についてはカンで判断しないということだ。今まで取材したプロ相手の整備工場は、自衛隊も含めて、オイル交換は確実に定期交換していた。
乗用車でそんなにドンドンと交換していくのはもったいないと思うかもしれないが、今や消耗品の数は今では知れたもの。そのうち、エアフィルターなど見た目で判断できるものもあるので、完全定期交換部位はそれほどない。長く乗りたいと思うなら、運行管理をしっかりとする。これが商用車に学ぶ、好調維持の秘訣ということに尽きる。