10年のモデルライフの間に数々の派生モデルが登場
ランボルギーニは、もちろんその後もこのムルシエラゴにさまざまな進化策を施すとともに、追加車種をラインアップに加えていく。2004年にはオープン仕様のロードスターが誕生。また、e-ギヤと呼ばれるセミオートマチック仕様もこの年に追加設定され、セールスに大きな弾みをつけることに成功した。ちなみにe-ギヤは、2003年デビューのV型10気筒ミッドシップ、ガヤルドですでに採用が実現していたが、ムルシエラゴの場合にはオートマチックモードが存在しないなど、あくまでもハードコアな仕様である。
2006年になると、ムルシエラゴは搭載エンジンを6.5リッター仕様へと変更。最高出力を640馬力に高めるとともに、ギヤボックスやエクステリアなどにも及ぶ、大幅なマイナーチェンジを受ける。ここから車名にはLP640のサブネームが与えられることになるが、これは640馬力のエンジンを後方に縦置きすることを意味する、カウンタック世代を彷彿させるもの。同年秋にはロードスターもLP640仕様にマイナーチェンジ。さらにその魅力を高めた。
そして、ムルシエラゴからの派生モデル、進化型として忘れてはならないのが、2007年にLP640をベースに20台が限定生産されたレヴェントンと、2009年に350台の限定車として発売されたLP670-4スーパーヴェローチェの両車。
とくに前車は、後のアヴェンタドールのスタディモデルとしての役割を果たしたとも伝えられ、現在では非常に貴重なコレクターズアイテムとなっている。2009年にはそのロードスターバージョンも誕生している。