バカッ速の「シュコダ」に一矢報いた! 全日本ラリーの「GRヤリス」「WRX」の進化速度がハンパない (2/2ページ)

GRヤリス以外にもWRXの活躍にも期待したい

 実際、2021年の後半戦のターマックでは、勝田×GRヤリスと福永修のシュコダ・ファビアR5はほぼ互角のスピードにある状態だったが、2022年はワンランク上のスピードを持つコバライネン×ファビアR5をターゲットにすることで、勝田×GRヤリスは進化を重ねているのだろう。そのパフォーマンスは、すでに福永修×ファビアR5を凌駕しつつあるようだ。

 トヨタGAZOOレーシングのチーフメカニック、丸田智氏によれば「細部の熟成を図ることで確かにマシンは速くなっています」とのこと。同時にステアリングを握る勝田もドラビングをアジャストしているだけに、ソフトとハードの進化が第3戦の勝利を演出していたのである。

 ちなみにミッショントラブルが続出しているが、奴田原文雄のGRヤリスも確実に進化を重ねているようで、第2戦のツール・ド・九州で2位入賞を果たしたことは記憶に新しい。

 さらに、新井敏弘、鎌田卓麻らのスバルWRXもマシンの熟成を重ねており、両ドライバーによれば、2015年にデビューしたVAB型もいまだに”ノビシロ”があるようだ。

 材質置換による軽量化やリストリクターの拡大など、大幅な車両規定の変更がない限り、トヨタGRヤリスやスバルWRXなどの国内規定モデルでは、コバライネン×ファビアR5にスピードで競り勝つことは難しい状況だが、確実に国内規定モデルも進化を重ねており、今後の動向に注目したい。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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