開発にかかった費用を回収するまでヤメられないことも
ふたつ目の理由は、投資に見合った売り上げが得られていない場合だ。販売が低迷している車種を早々に終了したら、多額の開発費用や営業費用を回収できない。クルマは価格が高い割にメーカーや販売会社の受け取る粗利が少ない薄利多売の商品だから、長く作り続ける必要が生じる。
そして、フルモデルチェンジを受けるか、そのまま終了するかを見分ける目安は、発売から10年を経過したか否かだ。商用車、悪路向けのSUV、一部のスポーツカーを除いて、10年目にフルモデルチェンジを受けないと、そのまま終了することが多い。さすがに10年を経過すると、ユーザーが他車に流れてしまい、フルモデルチェンジを行っても乗り替え需要を継承しにくくなるからだ。
エルグランド(2010年)やマーチ(2010年)は、すでに10年を超えている。マツダ6は2012年の登場だが、次期型の存在が明らかにされた。
デリカD:5は2007年の発売ながらも積極的な改良を行っている。
これらの例外はあるが、大半は10年がフルモデルチェンジ周期の限界だ。