スポーツカーバブルは弾ける可能性はあるが価格は落ちにくい
では、今後についてはどうなっていくのだろうか?
まず、日系メーカーでスポーツカーのモデルラインアップが減っている。現時点で主なところでは、スープラ、フェアレディZ、ロードスター、GR86/BRZといったお馴染みの面々がスポーツカー文化をなんとか下支えしている状況だ。
そのうえで、日系メーカーがガソリン車、またはハイブリッド車でスポーツカーを新しく導入する可能性は極めて低い。そうなると、中古車市場での流通台数も減少傾向が止まらないことになる。
また、BEV(電気自動車)シフトがグローバルで急速に進んでおり、BEVスポーツカーの需要がどれほどになるのか、現状では見通せない状況にある。逆の発想として、BEVシフトが進むことで、ガソリン車やハイブリッド車のスポーツカーの中古車価格にプレミアムがつく可能性も考えられる。
一方、アメリカのネオクラシックスポーツカー市場の将来も不透明だと言わざるを得ない。すでに、投資案件のような扱いでバブルっぽい価格上昇にある状況であり、こうした異常な市場が今後も成立するとは考えにくいからだ。
以上のように、スポーツカー市場にとって大きな変革期となる2020年代から2030年代にかけて、スポーツカーの中古市場相場が値下がりに転じる可能性は低いが、一部の超高額車に関してはバブルがはじける可能性は否定できないだろう。
いずれにしても、海外市場での動向が、今後も日本中古車市場でのスポーツカー価格に大きく影響を及ぼし続けることは間違いなさそうだ。