「タンドラやセコイヤで十分」というのがアメリカ市場の実態
つまり、日本と比べてアメリカで売られていないトヨタのSUVは、ランクル300だけに限ったことではなく、アメリカのユーザー特性やディーラーからの要望によって、トヨタはアメリカでもっとも効率的に販売出来得るであろうモデルラインアップとしているということだ。
そもそも、アメリカでSUVが流行したきっかけは、1990年代に当時のGMシボレーC/Kシリーズ、フォードFシリーズ、そしてダッジラムというフルサイズピックアップトラックと車体共有性があるフルサイズSUVにある。
タホ/サバ―バン/キャデラックエスカレードなどがそれに該当する。また、ミッドサイズピックアップトラックの派生車として、フォードのエクスプローラーが人気を博した。
そうしたデトロイト3が創出したトレンドに、日系メーカーも相乗りする姿勢を見せた。トヨタの場合、フルサイズピックアップトラックのタンドラを導入し、その派生車がセコイヤである。
このようなラダーフレーム構造という点では、セコイヤもランクルも同じなのだが、価格はセコイヤが5万ドル(126円計算で630万円)に対して、2021年モデルのランクル200は8万5000ドル(1071万円)という大きな価格差があった。
アメリカにも、ランクルのヘビーユーザーはいるのだが、そこまでハードユースしない人にとっては、タンドラやセコイヤで十分満足、というのがアメリカ市場の実態だといえるだろう。