ステアリングヒーターの装着に14万円かかってしまうことも
トヨタ・ヴォクシーS-Zに設定される快適便利パッケージは、電動開閉スライドドアに併用されるハンズフリー機能、リヤゲートの電動開閉機能、ステアリングヒーターなどをセットにした。従ってメーカーオプションの単品価格が1万5000円程度のステアリングヒーターを装着するために、14万8500円(2WD)のセットオプションを購入することになってしまう。
最近は安全装備の標準装着が進んだから、以前のように安全性を高めるために、不要なオプションパーツを抱き合わせで押し付ける車種は減った。それでも例えばダイハツ・ミライースにサイドエアバッグを装着するには、アルミホイールなどが備わる最上級のG・SAIIIを選ばねばならない。
安全装備は同乗者を守る装備だから、アルミホイールと同列には扱えない。安全装備は、標準装着が理想で、それが無理な場合でも単品のオプション装着を可能にすべきだ。セットオプションにすべきではない。
メーカーの立場でいえば、オプション装着を可能にするだけでコストアップに繋がる。完全な非設定に比べると、ワイヤーハーネスなど、オプション装着の準備をする必要が生じるからだ。装備の組み合わせも増えてしまう。
それでも最近はスズキ・アルトがもっとも価格の安い94万3800円のAにも、衝突被害軽減ブレーキに加えてサイド&カーテンエアバッグまで標準装着するようになった。安全装備と快適装備は、区別して考えるべきだ。