この記事をまとめると
■トヨタbZ4Xとフィアット500eはサブスク&リースのみでの販売となる
■EVをサブスクのみでの販売とするのはユーザーの選択肢を狭める行為ではないか
■サブスクのみの販売とするのはユーザーにEVの不安を掻き立てることになりかねない
トヨタbZ4Xとフィアット500eはサブスク利用でしか乗れない
トヨタ初の電気自動車(EV)であるbZ4Xと、イタリアのフィアット初のEVである500eの販売は、いずれもサブスクリプション(定額支払い)やリースによる。そこで、EVの利用はサブスクリプションとなっていくのかと思う人もあるようだ。
トヨタはその理由として、リチウムイオンバッテリーの劣化や、それに伴う下取り価値の下落に対する顧客の不安をやわらげるためと語る。同時に、EVが処分される際に、まだ容量を残すリチウムイオンバッテリーの回収を確実にするためでもあるという。さらには、トヨタが扱うサブスクリプションのKINTOであれば、整備代も月額料金に含まれるので故障などへの心配も減るとする。
フィアットは、エンジン車の500に比べ価格帯が上がるので、従来と異なる新規顧客層が購入するとみており、サブスクリプションでの導入を決めたようだ。
一方、 bZ4Xとの共同開発によるスバル・ソルテラは、現金一括やクレジットなどでの販売を行うとしている。
ステランティスとして新たな出発をし、フィアットと同じグループとなったPSAは、プジョーe208やe2008というEVの昨年の販売は、それぞれ11%と13%を占めたとしており、国内新車市場おけるEVの市場占有率が1%を切るなか、好調な販売をしており、魅力的なEVは売れる姿を示している。
商品を買う行為は、消費者それぞれの価値観や所得に応じて選択肢があるべきではないか。その点において、従来、日本の新車販売は現金一括かクレジットが中心で、リースはなじみが薄かった。しかし、近年はサブスクリプションの登場により選択肢が増え、クルマ利用の機会が広がったといえる。