EVにも庶民車にもグレード間の価格差が大きいモデルがあった
5月に正式発売される日産最新のBEV(電気自動車)のアリアもグレード間の価格差が大きい。標準グレードのB6 2WDがスタート価格で539万円。バッテリー容量が異なり、e-4ORCEと呼ばれる4WDになるB9リミテッドになるといきなり790.02万円となり、その価格差は252.02万円となる(補助金別)。
マツダのクロスオーバーモデル、MX-30もグレード間の価格差がすごい1台だ。HVのベースグレードとなるMX-30の2WDが242万円とリーズナブルに感じられるのに対して、同じMX-30でもe-スカイアクティブと呼ばれるBEV(電気自動車)になると一気にベースモデルでも451万円。そのハイエンドグレードとなるEV Highestグレードは495万円。HVとEVの違いこそあれ、同車名でその差、253万円にもなるのである。
もっと身近な車種では、トヨタ・ヤリスもグレード間の価格差が爆発している車種だ。標準ヤリスは軽自動車並みの139.5万円スタートで、HVの最上級グレードでも252.2万円となるのだが、そのほかにヤリスベースの”スポーツマシン”、GRヤリスがあり、そのハイエンドモデル、4WDのRZハイパフォーマンスグレードは何と456万円の値付け。その差額は驚異の316.5万円に達するのである。
ヤリスのライバルであるホンダ・フィットだって、気を抜けないグレード間の価格差がある。ベースグレードとなるガソリンBASICグレード2WDの155.76万円スタートから、HVのe:HEVモデューロX 2WDの286.66万円と幅広い。その差額は130.9万円だ。アルファードやヤリスと比べれば、もはや驚きに値しないかも知れないが……。
そのほか、日産リーフ、スカイライン、トヨタ・プリウス、MIRAI、ハリアー、ランクル、RAV4などもグレード間の価格差の大きい車種ということになる。
いずれにしても、最廉価グレードは価格的には買いやすさがあるものの、車種によっては最廉価グレードが法人向け、レンタカー向けという場合もあり、一般ユーザーが満足しかねることもありがちだ。性能、装備、とくに先進運転支援機能の充実度、オプションの選択肢などをしっかりと見極め、あとで後悔しないようなグレード選びをしてほしい。
最後に、余計なお世話かも知れないが、価格に気を取られやすい最廉価グレードは、売却の際、中古車人気として期待できず、安く叩かれる可能性も大だ。結果、その上のグレードを買ったほうが、購入額と売却額のトータルでお得になる可能性もある。よって、装備的にも満足できる中間グレード以上を買うことをお勧めしたい。