この記事をまとめると
■新車には独特のニオイがある
■改善されてはいるが、発生源は今も昔も変わらない
■原因と対策を解説する
ニオイの発生源は接着剤や樹脂
新車のニオイというのは昔からある。ドアを開けたとき、そして乗り込んだときに香ってくる、なんとも言えないニオイ。嫌いな人もいれば好きな人もいて、賛否両論あったりもする。昔はかなり強くて、それだけでクルマ酔いしたり、クラクラする感じだったりもした。現在は軽く漂ってくる程度で、ほとんどない場合もある。
昔ほどきつくはないのでニオイの種類が変わったという意見もあったりするが、実際のところ、発生源としては今も昔も変わらない。具体的な発生源としては各部に使われている接着剤や樹脂。またレザーシートの表面は塗装されているが、この塗料も発生源のひとつとなる。簡単に言ってしまえば溶剤臭いということになる。こう聞くと思い浮かべるのがシックハウス症候群で、原因は同じVOCと呼ばれる揮発性物質だ。だからクラクラしたり、クルマ酔いしたりするのだが、シックカー症候群と呼ばれることもある。
VOCに含まれるのはトリクロロエチレン、ホルムアルデヒド、トルエン、ベンゼンなどよく聞くものが多く、毒性は強い。またアルコール類なども含まれる。吸い続けると、皮膚や神経に影響が出ることもあるので、住宅メーカーが対策に力を入れているように業界団体である日本自動車工業会では「車室内VOC低減に対する自主取組み」というのを行っていて、一定以下の濃度になるように対策している。これでも完全除去ではないし、実際のところまったくなしでは内装部品を作ることは不可能だ。
ユーザーとしての対策としては窓を開けるなどして換気をするしかない。揮発する物質が問題なので、時間が経てば消えてくるし、含んでいる空気を外に積極的に出してやれば車内濃度を下げることはできる。最終的に消えるまでの時間を短くするためにも有効だ。ちなみに芳香剤では発生源の物質を分解するわけではないので、ニオイでごまかすことはできても消すことができないのであしからず。