いわば「お通し」? 車検費用の明細に含まれる「ショートパーツ」「パーツクリーナー」代の謎 (2/2ページ)

ホームセンターなどで売っているものより高いような……

 費用に納得がいかないという声もある。ショートパーツは500円ぐらい。パーツクリーナーは1200円ぐらい。納得しないというのは高いからで、布切れが500円するのか? パーツクリーナーはホームセンターで買っても300円ぐらいで、どう見ても高い。しかも大量に入っているので1本使い切るわけではないだろうとも。この点はまさにそのとおりで、パーツクリーナーは使い切ることはないし、1台ごとに新品のスプレーを使っているわけではないのは薄々というか、当たり前なこととして認識している。

 当の整備工場の意見はどうかというと、いくつかで聞いてみたところ「慣例だから」という返事が多い。「もうからない商売だから、少しでももうけないと」という意見もあった。また定価で計上する理由としては、「仕入れて売るから定価でもいいだろう」だったりするもする。ほとんどはお茶を濁す感じだが。

 いらない、いや慣例だからと結局水かけ論となって、冗談でなくて居酒屋のお通しみたいなものに思えてくる。小鉢が300円や500円はしないだろうというのも似た感じ。実際は整備費用のほうに込みにすればいいだけのように思えるし、それも含めた時間工賃をチャンと設定すればいいだろう。そもそも安く買って全部は使わないのだから、いいじゃないかとも思う。この件に限らず、いろいろな分野で昔からの慣習で通せる時代でもない。

 とにかく安く抑えてくれというユーザーがとても多いのもまた問題だが、昨今言われるようになんでも安くだとデフレからは脱却できないのもまた事実。1本のパーツクリーナーにしてもいろいろなことが透けて見えてくる。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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