この記事をまとめると
■スピンしてエンストしたあと、エンジンがかかりにくくなることがある
■未燃ガスがプラグを湿らせ、一時的にカブッた状態になっている可能性が大きい
■他に考えられる理由や対処法を解説する
スピンするとエンジンがかかりにくくなることがある
サーキット走行を楽しんでいるうちに、図らずもスピンをしてクルマが止まってしまう場合がある。こうしたときできるだけ早くコースに復帰したいと思うのに、エンジンがなかなか再始動してくれないことが珍しくない。
なぜスピンしてエンストしたあとは、エンジンがかかりにくくなってしまうのか。
いろいろな理由が考えられるが、未燃ガスがプラグを湿らせ一時的にカブッた状態になっている可能性が大きい。
他にも、イグニッションコイルに熱が籠もって「熱パンク」状態になっているケースもあるし、燃焼室の温度が高いために点火しにくくなっていることも考えられる。
またスピンしたことで水温がかなり高い状態でエンジンが止まり、水温が高すぎて燃料の始動増量が合わなくなり、オーバーリッチでエンジンがかからないかもしれないし(イグニッションを一度オフにすればリセットされる問題だが)、同じく水温が高すぎて、冷却ファンが全開でまわり、電力不足で始動性が低下していることも……(可能性は低い)。
キャブレターのクルマならパーコレーションも考えられるが、インジェクション車は燃料ポンプで加圧されているので、パーコレーションはまず起きない。
もうひとつはアクセルを踏んだままスターターを回してしまっているケース。
インジェクション車はアクセルペダルを踏まない状態でスターターを回すのが大原則なので、これを守らず少しでもアクセルを開いたままスターターを回すと、プラグがかぶり気味になってエンジンの始動が困難になる。
いずれにせよ、スピンをしてクルマがどこも当たっていなければ、1~2分後には通常通りエンジンはかかるようになるはず。
コースマーシャルがいて、きちんと黄旗が振られているのなら、深呼吸をして自分の頭とエンジンを冷まして、落ち着いてからスターターを回せば大丈夫。
仮にコースを完全に塞いでしまったとしても、エンジンがかからない以上、どうにもならないので、その場合はマーシャルの指示に従おう。