まだ溝のある数年落ちのスタッドレス! どうせ来年買い替えるといっても「溝が減るまで」夏の履き潰しは危険だった (2/2ページ)

夏場の履きつぶしは安全面でも経済面でもデメリットが多い

 JAFの行なった、5分山の夏タイヤと、5分山(プラットフォーム露出)のスタッドレスタイヤの比較テストでは、ドライ路面の時速60kmからの直線ブレーキで、夏タイヤの制動距離は16.3m、スタッドレスタイヤは18.8m(1.15倍)。

 ドライ路面の時速100kmからの直線ブレーキで、夏タイヤの制動距離は44.1m、スタッドレスタイヤは51.1m(1.16倍)。

 これがウエットになると、時速60kmからの直線ブレーキで、夏タイヤの制動距離は16.7m、スタッドレスタイヤは20.3m(1.22倍)。

 時速100kmからでは、夏タイヤが50.8m、スタッドレスタイヤが72.2mと1.42倍と大差がつく!

 氷雪路に強いスタッドレスタイヤは、ウエット性能も良さそうに思うかもしれないが、細かいサイプで氷上の水膜を吸水する性能はあっても、排水性に優れているわけではないので、ハイドロプレーニング性能は期待できないし、曲がりづらいし止まりにくい……。

 ドライ性能でもスタッドレスタイヤは劣り、じつは夏にスタッドレスタイヤを履き続けた場合、燃費も夏タイヤより約一割悪化する。

 冬が得意なスタッドレスタイヤは、やはりウインターシーズン専用のタイヤであって、夏場の履きつぶしは安全面でも経済面でもデメリットが多い。

 空気圧の管理を含め、タイヤだけは手間ひま、コストをを惜しまずに、いい状態を保つことを優先しよう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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