SUV化の噂もあればセダン生き残り説もあるクラウン! 15代の歴史を一気見せ (2/2ページ)

トップブランドらしく常に先進技術が取り入れられてきた

9代目:誕生1991年(全長4800mm・全幅1750mm・全高1440mm・ホイールベース2730mm)

 パーソナルユース主体の4ドアハードトップは3ナンバーボディとなり、タクシーなどビジネスユース主体の4ドアセダンは継続生産という風になっていったのが、9代目クラウンでのトピック。4ドアハードトップは2.5リッター6気筒エンジンを中心に上級グレードに3リッターを搭載するというグレード構成。

 V8エンジン搭載車には「マジェスタ」のサブネームが与えられたが、じつはモノコックボディ化されるなど別モデルといってもいいほどの内容だった。

10代目:誕生1995年(全長4820mm・全幅1760mm・全高1425mm・ホイールベース2780mm)

 クラウンといえば長らくフレームシャシーを守ってきたが、ついに全ラインアップがモノコックボディとなったのが、10代目クラウンだ。エンジンは2.5リッターと3リッターの直列6気筒が採用され、マジェスタも引き続き設定された。4WDが初設定されたのもニュースだった。

11代目:誕生1999年(全長4820mm・全幅1765mm・全高1470mm・ホイールベース2780mm)

 4ドアハードトップからオーソドックスな4ドアセダンへと大きく変身したのが11代目の特徴。パワートレインでは、復活した「アスリート」シリーズに搭載された280馬力の2.5リッターターボエンジンが印象に残る。

 そのほか筒内直噴テクノロジーやマイルドハイブリッドが採用されるなど、全般にアップデートされていた。

12代目:誕生2003年(全長4840mm・全幅1780mm・全高1470mm・ホイールベース2850mm)

 外観イメージを若々しくした上に、エンジンを新世代のV6にするなど「ゼロクラウン」という愛称のとおりに、完全に生まれ変わったのが、12代目だ。

 2005年のマイナーチェンジではレクサス向けに開発され、315馬力を発生する3.5リッターV6エンジンを搭載したアスリート・グレードが設定されるなど、トータルパフォーマンスの面でもクラウンのイメージを一新することになった。

13代目:誕生2008年(全長4870mm・全幅1795mm・全高1470mm・ホイールベース2850mm)

 先代のプラットフォームをベースに正常進化を遂げたのが13代目。トピックスのひとつが3.5リッターV6エンジンと2モーターを組み合わせたFRハイブリッドを設定したことだ。

14代目:誕生2012年(全長4895mm・全幅1800mm・全高1460mm・ホイールベース2850mm)

 フルモデルチェンジ時にピンクの特別カラーを限定販売するというプロモーションをしたことから「ピンクのクラウン」と呼ばれることもあるのが14代目。

 メカニズムとしては12~13代目をブラッシュアップしたものだが、2.5リッター4気筒エンジンの2モーターハイブリッドを設定した。

 また、後期型では現行型につながる2リッター4気筒ターボエンジンも搭載している。

15代目:誕生2018年(全長4910mm・全幅1800mm・全高1455mm・ホイールベース2920mm)

 レクサスLSにも通じるTNGAプラットフォームによって完全に生まれ変わったのが15代目、現行クラウンだ。パワートレインは3.5リッター6気筒/2.5リッター4気筒の2モーターハイブリッドが中心で、2リッターターボも引き続き設定されている。

 外観ではCピラー部分に窓を追加した6ライトキャビンによるクーペ的なシルエットが15代目の特徴だが、そのスタイリングは賛否両論となった。

 筆者は、12代目クラウンの3.5リッターエンジンに惚れ込んで5年ほど所有していたことがある。そうした元オーナーとして感じるのはクラウンというのは保守的なブランドイメージに対して、じつはテクノロジーショーケースといえる先進性も併せ持つモデルということだ。

 果たして初代から15代目まで一気に振り返ってみたことで、そこに何か共通するクラウンのDNAを、あなたは感じることができただろうか。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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