市販車最安クラスの軽トラも穴場物件!?
軽1BOXと並んで、日本を代表する働くクルマといえるのが4ナンバー枠の1BOXバンだ。このカテゴリーではトヨタ・ハイエースと日産キャラバンが長年ライバル関係にあることは知られている。リセールバリューにおいてハイエース優勢なのもよく知られているところで、そうした部分も考慮すればハイエースをおすすめすべきかもしれないが、2022年というタイミングでいえばキャラバンを推したい。
というのも、キャラバンは2月のマイナーチェンジによってディーゼルエンジンが新しくなり、7速ATと組み合わせられたからだ。排気量こそ2.4リッターとハイエースの2.8リッターには劣るが、最大トルクが370Nm(ハイエースは300Nm)と太く、排ガス処理にアドブルーを使う仕様となっていることでクリーン度も高いパワーユニットとなっている。
とくに7速化のメリットは高速巡行性に感じられるスペックで、高速道路を使った遠方までツーリングに行くような使い方を想定しているユーザーならばキャラバンの価値を認めるところではないだろうか。
最後に、商用車に限らず、もっとも安価に売られているカテゴリー、軽トラックのおすすめを整理してみたい。といっても、このカテゴリーもOEMモデルを除くと、スズキ・キャリイとダイハツ・ハイゼットトラックしか選択肢はない。AT限定免許で選ぶとなれば、4速ATのキャリイとCVTのハイゼットトラックの比較となり、スムースな乗り味でハイゼットトラックに軍配も上がりそうなものだが、5速MTで考えるとキャリイ一択といえる。
なぜなら、キャリイにはKCというベーシックグレードが用意され、そのメーカー希望小売価格は75万2400円と、いま日本で買える新車のなかで圧倒的に安価となっているからだ。もっとも、このグレードでは先進運転支援システムはもちろん、エアコン、パワステさえも非搭載という質素な仕様となっている。そのため実際にオーダーする人はすくなく、受注生産扱いとなっているほどだ。
それでもキャリイのエンジンは可変バルタイ機構付きのDOHC 12バルブ 3気筒エンジンであり、720kgという軽量ボディのFR車と考えれば、この価格で買えるのは商用車ならでは。ハイゼットトラックには、ここまで徹底した廉価グレードが設定されていないことを考えると、趣味で選ぶ軽トラとしてはキャリイのほうが魅力的に見えてくることだろう。