「ブレーキかけて速度を調整すればいい」とはいかない! 下り坂でのアクセルの踏みすぎが危険なワケ (2/2ページ)

スピンしてしまう恐れもある

 スピードが出過ぎたならばブレーキをかければいい、というわけにもいかないのが下り坂の難しいところだ。

 冒頭で記したように長い下り坂ではエンジンブレーキを活用するのは、通常のメカブレーキだけを使っていると、ブレーキパッドなどが過熱して制動力を失うフェード現象などが起きてしまうのを防ぐためだ。

 また、下り坂で強いブレーキングをかけると、リヤタイヤの荷重が抜けやすくなっているのも注意したいポイント。リヤタイヤのグリップが低くなった状態で、急ハンドルを切ったりすると、車体が安定性を失いスピンモードに入ってしまうこともある。その意味でも、マイルドに減速できるエンジンブレーキを使うことは下り坂を安全に走るために意識したいテクニックというわけだ。

 このように下り坂ではアクセルの踏み過ぎ、ブレーキのかけ過ぎに気を付けたいが、上り坂ではアクセルの“踏まなさ過ぎ”にも注意したい。

 こちらは、主に高速道路などの緩い上り坂で起きる現象だが、それまでと同じくらいのアクセル開度を維持していると速度が徐々に落ちてくることがある。本人はさほど気にならないが、こうした緩やかな減速というのは、後方を走るクルマの流れに意外なほど影響を与えてしまい、いわゆる自然渋滞の原因となってしまうのだ。

 いずれにしても、アクセルをこのくらい踏んでいるという感覚だけでなく、スピードメーターを適宜チェックしてスムースな走りができているかを確認するようにしたい。そうすることで前後の車両にもストレスを感じさせないスマートなドライビングができるはずだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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