【試乗】トヨタもスバルも個性を妥協せずに料理! 86&BRZは公道でも違いは明確だった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■兄弟車でも走りは大きく違う「GR86」と「BRZ」

■排気量アップも手伝って86/BRZが好むドリフト走行もしやすくなった

■筆者は両者の違いを公道走行で伝えている

トヨタとスバルは自社の個性を妥協せずにそれぞれを仕上げた

「トヨタ86」と「スバルBRZ」。これほど両社の密接な関係を象徴するモデルも少ないだろう。トヨタとスバルは資本関係で深いつながりがある。となれば当然、技術的な結びつきが生まれるのは想像のとおり。たとえばトヨタにはない水平対向エンジンを搭載しつつも、スバル製ではない電子制御システムを合体させるなど、しっかりと両手で握手をしてるかのような関係なのだ。

 だがその一方で、お互いの主張には妥協がない。トヨタにはトヨタ流の味付けがある。なんと言っても1000万台級の大量生産メーカーであり、世界一であることの自負がある。トヨタの販売網を駆使すれば、たとえ86が趣味性の高いスポーツカーだとはいえ、それなりの販売台数が期待できるだろう。だから万人を想定した乗り味となる。

 だがスバルは、そもそも特殊性の高いことが個性である。水平対向エンジンにこだわり、雪路での踏破性に優れた4WDには一家言ある。絶滅が心配されているステーションワゴンを開発し続けている。トヨタと共同開発であっても、譲れないところは譲れない。頑固な姿勢を示すのだ。

 その主張がトヨタGR86とスバルBRZに現れている。2代目と言っていいのだろうが、トヨタ86はトヨタ“GR86”と名前が変更になったことを契機に、より一層個性を主張する立場となった。トヨタ内の組織変更とGRブランドの訴求がその理由だと思われる。名前が変わったことでさらにトヨタは自らの個性にこだわることになった。スバルの主張も揺るぎない。

 GR86とBRZをボンネットからトランクにかけて、左右にぶった切ってみれば、両モデルの違いは明らかになる。パワーユニットやプラットフォームは共通していながら、ブラケットやスタビライザーなどは、太さや長さが異なる。アルミに対して鋳鉄を採用していたり、そもそも有る無しの違いがある。ふたつに切り分けて結合しても、GR86にもBRZにもならないのである。


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