色もデカールも回点灯まで統一性ナシ! おまけに「ドレスアップ」までされているタイの「救急車」事情

この記事をまとめると

■タイの救急車のベース車両はさまざま

■デカール類や回転灯も異なっている

■これは消防署でなく私立病院や慈善団体で運営されているからだ

ホイールが交換されていることも!

 早朝、けたたましいサイレン音で目が覚めた。宿泊しているホテルの部屋は高層階なのだが、それでもはっきり聞こえる。ただ階下のいわゆる“クラブ”の重低音ガンガンの音楽も結構聞こえてくるので、そもそも日本の高層ビルよりは外の音が入りやすいようだ。

 その後、バンコクの街を散歩しようとホテルの外へ出てその正体がわかった。それは救急車であった。最初に見た救急車はトヨタ・ハイエースの5ナンバーサイズバンをベースにしたもの。フロントに“AMBULANCE”と書いてあるし、ルーフには回転灯が装着されている。しかし、タイヤを見るとアルミホイールでドレスアップされている。とにかく目立つサイレンが特徴的であった。

 日本では急病で搬送要請しているのに、「ご近所に迷惑だから近づいたらサイレンは消してください」などと頼む人もいるようだが、さすがにタイの救急車のサイレンならば、筆者も「近づいたらサイレン消してください」とお願いしてしまいそうである。

 日本で救急車といえば白のボディカラーに赤のストライプが入っており、全国的にほぼ同じで一目で救急車とわかるのだが、タイで見かけた救急車はどれもハイエースではあるものの、3ナンバーサイズのものもあったりとバラバラ。ボディカラーも白で統一かと思えばシルバーもあり、デカール類や回転灯まで異なっていてバラエティに富んでいる。

 調べてみると、タイでは日本のように救急車は消防署で運営されているのではなく、私立病院や慈善団体で運営されており、有料とのこと。運営団体が異なることで、街を走る救急車もバラエティに富んだものとなっているようである。世界的に見ると、救急車を“無料”でだれでも呼べる日本が特殊で、世界では救急車の手配は有料がスタンダードとなっている。これを“恵まれている”と単に感謝していいのかは微妙である。

 タクシーでも、エアロパーツやアルミホイールを履いてドレスアップするお国柄なので、地方自治体などで運営されていない救急車がタクシーに準じてドレスアップされているのにも妙に納得してしまった。

 それにしても、コロナ禍前に比べると、たまたまなのかもしれないが、街なかをサイレンを鳴らして救急搬送していると思われる救急車を数多く見かけることになった。これも新型コロナウイルス感染拡大の影響なのかなあと感じてしまった。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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