息の合った3台のドリフトは必見!
今回のGR86の広告は、車種広告でもあるのだが、FRの楽しさを伝えるという意味も併せもったものになっているという。歴代3台のFRを継承している86を使って、GR86の良いところや、トヨタがFRの楽しさを届けつづけることの意味を伝えるということが、今回の広告の狙いになっているようだ。
また、富士スピードウェイを撮影場所に選んだのは、もともとは海外での撮影も視野に入れていたが、渡航が難しい現状を考え、サーキットをショーアップして異次元空間を演出することを選んだのだという。真夜中のサーキットに、照明を設置したテーブル式ハイライダーが36台設置された。関東中のハイライダーが結集したという。暗闇のなかを無数のライティングでショーアップされたなか歴代86がドリフトする。ロケーションで魅せるというよりも、ドリフトそのものにフォーカスを当てることができたため、これまでのGRのCMとはひと味違った見え方に仕上がった。
GR86のドライバーは、佐々木雅弘さん、先代86は、松井有紀夫さん、AE86は、高橋しげるさんが務めた。ピッタリ息の合った3人のドライバーだが、走行中のGR86のコクピットにドローンを飛び込ませるというのは、至難の技で、繰り返し同じ走行が行われた。 ドローンパイロットの田中道人さんは、数多くのミュージックビデオやCMの空撮を手がけるフリーランスのドローンカメラマンだが、今回の撮影はかなり難しかったと話す。まさにFRマシンを操るプロと、ドローンを操るプロの息がピッタリあった瞬間を狙った撮影であったのだ。
実際に放映される映像というのは、ほんの数十秒だが、実際には3日間富士スピードウェイをクローズにして撮影が行われた。3月の富士スピードウェイの夜というのは真冬の寒さである。途中雪が舞って撮影が遅れたというエピソードもあった。そんな過酷な撮影を経て完成したGR86のTVCMを見てFRマシンの楽しさ、素晴らしさを共有してもらえれば撮影舞台の苦労も報われるだろう。
【CM映像】
【メイキング映像】