木陰となる場所は駐車に向いていると思いがちだが……
では、塩害のない山や高原、湖のドライブでは、そうしたケアは必要ないのか? じつはそうでもない。注意したいのは、やはり駐車場所。クルマに戻ってきたときの車内温度の上昇を避けるべく、数ある駐車スペースの中でも大木の下を選ぶ人もいるはずだ。が、それはNG。この季節になると樹液が大量にポタポタと落ちてくる可能性があり、ボディ、ウインドウに付着してしまうことがあるからだ。その樹液汚れ、放置しておくとシャンプー洗車でも落とせないほどガンコな汚れとなり、塗装浸食の原因になってしまうのだからこわい。そうなれば、鉄粉のように粘土クリーナーなどで削り落とすしかなくなる可能性もあるほどだ。
だから、日陰になるからといって、木の下に停めるのはリスク大と考えたい。とはいえ誘導された駐車スペースが木の下で、そこしか空いていないため停めざるを得ないケースもある。そんなときはボディカバーをかけさせてもらうのが理想だが、そうもいかないのなら、クルマに戻ってきて樹液の付着があれば、できればぬるま湯をかけつつタオルなどで拭き上げるといい。樹液は、付着した直後ならお湯に溶けやすい性質を持っているのである。
もし、ぬるま湯の用意もできないのなら、せめてウインドウ面(フロント&リヤ)だけでも、ウインドウクリーナー&タオル、またはウインドウクリーナークロスで拭き上げてから出発したい。前記の海辺のドライブ帰りのように、樹液がウインドウ面に付着したままクルマを出し、途中で雨が降ってきてワイパーを作動させたとしたら、ワイパーが樹液を引きずってしまって視界はかえって最悪になる(ワイパーへのダメージも大きい)。それこそ走れなくなる可能性もあるから危なすぎるのだ。
そして、ボディにも樹液がべったり付いているようなら、現地出発前のウインドウケアに加え、やはり家に着く前にコイン洗車場(塩害とは違うため高圧洗車ではないガソリンスタンドの洗車機でもいい)で、ボディ全体も洗車しておくべきだ(帰宅してすぐに手洗いしてもいい)。
普段はボディをこすることによる微細なキズ付き=塗装の艶劣化を最小限に抑えるため、コーティングを施したうえで「なるべく洗車はしない」主義の筆者も、海、山などのドライブ帰りには、躊躇することなく洗車してボディ、ウインドウ面をケアすることにしている。