独創的な思想と技術で巨大メーカーにも負けない! 熱狂的ファンだらけなのも納得な自動車メーカー5選 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■独自色が強い自動車メーカーを紹介

■こだわりのメカニズムによって多くのファンを獲得してきた

■普遍的なメカニズムを採用した車種だとセールス的に失敗した例もあった

独自の設計思想があるからこそ多くのファンに支えられている

 自動車メーカーといえば、業界内では小規模と位置付けられるメーカーでも、企業規模から見るとすべて「大企業」と言うことができるだろう。そのなかで、世界規模での市場占有率を争うトップクラスのメーカーは、不特定多数のユーザー層を対象とした商品作りを行わなければならず、必然的に突出した個性はタブーとなる。突出した個性は、結果的に一部特定少数のユーザーを対象とすることになり、不特定多数の層から敬遠されることにもなりかねないからだ。

 こうした目で自動車メーカーを見渡してみると、業界内では中小規模(と言っても、一般企業と較べればとてつもなく大規模だが)のメーカーが、その企業独自の商品作りを行いそれを特色とすることで、特定少数層のユーザーから支持を受け、自動車メーカーとして存続、発展を遂げている例が少なからずある。ここでは、特化したメカニズムを分かりやすく自社商品の基本コンセプトとし、ユーザーから支持され続けているメーカーに焦点を当ててみることにしよう。

 まず、日本メーカーでこうした例が当てはまる例はないかと見渡してみると、非常に小さなこだわりだが、ドライバーの操作性を重視するマツダのオルガン方式アクセルペダルの採用を挙げることができるだろうか。アクセルを踏む右足の動きや負担を解析し、踏みやすく疲労感のないペダルフィーリングを考慮して作られている。

 これは、吊り下げ式がダメだという意味ではなく、踏みやすく疲労感の少ないアクセルペダルを追求した結果、フロアに支点を持つオルガン式のほうが、より向いているという結論にいたったもので、AT、MTを問わず「走る楽しさ」と「走らせる楽しさ」をクルマ作りのコンセプトとして掲げるマツダらしいこだわりと言うことができる。

 車両を構成するメカニズムに目を向けると、スバルが伝統的に使い続けている水平対向エンジンが目に止まる。もともと、航空機メーカーの中島飛行機を母体とする富士重工(現スバル)は、航空機技術を自動車作り(スバル1500、スバル360)に応用することで、独創的なメカニズムを持つ車両を生産するメーカーという認識が定着していた。そんなスバルが、軽自動車のカテゴリーにとどまらず、小型乗用車の市場に踏み出す第1号となったスバル1000(1966年)で、小型乗用車初となるFF方式に組み合わせるエンジン形式として最適という判断から、水平対向エンジンが選ばれていた。

 スペース効率を最大限活かすことを基本としたスバル360の合理的な設計思想が、乗用車のパッケージングとしてFF方式が最適であるという選択肢を導きだし、FF方式を無理なく構成するためには、エンジン長を短く抑えられる水平対向方式が最適である、という結論によって採用されたメカニズムである。

 その後スバルは、レオーネの時代にFFから4WDに駆動方式の転換を図ったが、エンジンは水平対向レイアウトにこだわり続け、当初977ccで始まった水平対向4気筒エンジンは2.5リッター(2457cc)にまで発展し、あるいは上質化を意図して採用した6気筒も水平対向レイアウト(EZ36型、3629cc)、F1進出を目指しモトーリモデル社と共同開発したスバル・モトーリモデルニ1235型エンジンまで水平対向12気筒という、徹底して水平対向レイアウトにこだわる姿勢を貫き通している。

 低重心であることが車両ハンドリングの良化につながることをセールスコピーに、スバルの水平対向路線は現在も続いているが、水平対向といえば、スバルの先輩格にあたるポルシェの存在を見落とすことはできないだろう。


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