たった100km走るのに10リットルもの差が生まれるケースも
では、WLTCモード燃費トップのヤリスハイブリッド(36.0km/L)とワーストのGT-R(7.8km/L)のランニングコストはどれほど異なるのだろうか。WLTCモードがリアルワールドでの燃費を完璧にトレースしていないことは自明だが、まずはWLTCモードを基準に100kmを走るのに必要なガソリン量を計算してみよう。
100km走行で必要なガソリンは、ヤリスハイブリッドが2.8リットル、GT-Rが12.8リットルとなる。GT-Rが大喰らいなのはわかっていたが、たった100kmを走るだけでヤリスハイブリッドより10リットルも多くのガソリンが必要になるというのは驚きだ。
さらに、ヤリスハイブリッドはレギュラーガソリンなのに対して、GT-Rはプレミアムガソリン(ハイオク)仕様となっている。
昨今のガソリン小売価格のトレンドを踏まえ、レギュラーガソリン170円 ハイオクガソリン181円で、それぞれのモデルが100kmを走るに必要な燃料代を計算してみよう。
ヤリスハイブリッド 170×2.8=476円
GT-R 181×12.8L=2317円
なんと、100kmを走るだけで、GT-Rは1841円も余計に燃料代がかかるのだ。
逆に、ヤリスハイブリッドに2317円の燃料代を与えると、490kmも走ることができる。大雑把にいって、GT-Rはヤリスハイブリッドの5倍も燃料代がかかることになるのであった。
ちなみに、国産ディーゼル車の好燃費モデルといえばマツダMAZDA2。軽油は単位あたりの価格が安いだけにガソリンのハイブリッド車よりランニングコストが抑えられるという意見もあるだろう。
そんなMAZDA2のWLTCモード燃費は21.6km/Lとなっている。つまり100kmを走るのに必要な軽油は4.6リットルということになり、軽油の小売価格トレンドを150円として計算すると、150×4.6=690円となる。MAZDA2であってもヤリスハイブリッド比での燃料コストは1.5倍近いのだ。
こうした圧倒的な燃費性能を知ると、冒頭で、ヤリスハイブリッドを“とんでもないレベル”と記した理由を理解していただけるのではないだろうか。