この記事をまとめると
■EVの整備代はエンジン車よりも安くなることが期待される
■タイヤの摩耗は早まるかもしれないがブレーキパッドは運転次第では減りを抑えられる
■通信でクルマの状態を管理できれば保守管理がしやすくなり整備費の軽減も期待できる
明確にはいえないがガソリン車よりもEVは整備費が安い
電気自動車(EV)の整備代はエンジン車に比べ安く上がるはずだ。少なくともオイル交換がない。ブレーキパッドの減りも、回生の使い方次第で大幅に減る。排出ガスの検査も必要ない。一方で、駆動用バッテリーを車載して車両重量が増えるため、タイヤの摩耗はやや早まるかもしれない。
ではいくら安くなるかは、一概にはいえない。
たとえばブレーキパッドの摩耗について、EVやハイブリッド車(HV)で利用可能な車種のあるアクセルのワンペダル操作について、これをうまく使いこなせる人は、ほとんどブレーキパッドは摩耗しないだろう。
私が乗る前型プリウスはHVでもシリーズ・パラレル式でワンペダルではないが、市街地ではBレンジで走っている。高速道路でも、たとえばETCゲートへの減速ではDからBへシフトし、回生を使って十分に減速したうえで足りない分をブレーキで調整する運転をしている。こうしていると、定期点検でも、ほとんどブレーキパッドが摩耗していないのを知ることができる。
一方、ワンペダルはぎくしゃくした走りになって嫌いという人は、加速はアクセル、減速はブレーキというこれまで通りの使い方をするので、ブレーキでの減速中も回生は機能するが、ワンペダルで運転した場合に比べパッドの摩耗は進むかもしれない。そこは車両ごとの制御プログラムの仕方にもよるだろう。
ワンペダル操作を身に着ければ、通常はブレーキで減速しているときも、回生を働かせることにより車載バッテリーへの充電が進み、次の加速の際にモーターを積極的に利用できるので燃費が向上する。整備代の話からはそれるが、モーター機能があるクルマであるなら、回生をいかに活用するかで経費に差が出ることになる。