もともと「ぼったくり」というレベルでもなかった
以前はバンコク中心部からショー会場まで利用すると、メーターなしでの“指示料金”では500バーツ(約1890円)ぐらいだったのだが、メーター料金では250バーツ前後(約945円)となっており、思わぬ“コストセーブ”ができた。ただ、ドライバーの“指示料金”はそんなに驚くほど高いものでもない。新型コロナウイルス感染前には「渋滞の激しいバンコクでは、メーターを入れないほうが安くなる(時間距離併用型)こともある」などと説明を受けたことがあるが、“ふっかける”にしても、“まあいいか”となりやすいレベルで攻めてきていたのである。
インドではいまは、ライドシェアアプリが普及しているので、スマホでどこでも車両を呼び出すことができるが、それ以前筆者はタクシーをチャーターして出かけ、指定時間に迎えにきてもらうようにしていた。しかし、出かける時に指定のピックアップ時間になってもやってくることはまずない。頼むときはその遅れも考慮して時間指定していた(チップを多く渡すなど顔なじみになると次からはピタッと指定時間に迎えにくる)。
しかし、アプリで呼び出すようになってからは、時間にほぼ正確に迎えにきてくれるようになった(まさにインド人もビックリレベル)。話を聞くと、利用者がドライバーをスコアで評価するので、それを意識した結果(高いスコアが欲しい)、世界一料金も安いといわれ、使いやすく便利な、事実上のタクシーがインドでも普及するようになった。
ハイテクという言い方は少々古いが、文明の進化が問題を解決するというのは間違いではないことを、今回バンコクのタクシーがメーターを入れるようになったのを見て感じた。