その手があったか! 王道以外の年がら年中「クルマに触れられる」仕事5つ (2/2ページ)

フォトグラファーやアナウンサーも!

 3つ目は、昔から手先が器用だったり、周囲から「センスいいね」と褒められたりしていた、アーティスティックな一面のある人におすすめな、カーラッピング職人です。5年ほど前から、整備士養成学校の授業などでカーラッピングの授業が行われたりするようになり、今じわじわと注目を集めている職業でもあります。

 カーラッピングとは、塗装ではなくカーフィルムをボディに貼り付けてクルマに好きな色や模様、絵やロゴなどを入れていくもので、定期的にデザインを変えたり、不要になれば元通りのボディに戻すのも比較的簡単だということで、プロ仕様のクルマから一般ユーザーまで需要が伸びているそうです。モータースポーツの世界でも、塗装ではなくカーラッピングでレーシングカーのデザインを作っていることも多くなっています。ただ、その制作には高い技術力が求められ、かつバランスやデザインなどのセンスも必要とのことで、その技術をマスターするのは至難の業。でもだからこそ、修行してお客様を満足させるレベルに達するとどんどん依頼も増え、やりがいのある仕事と言えるのかもしれないですね。

 4つ目は、クルマが好きで写真も好きな人ならぜひ目指してほしい、クルマやレースのフォトグラファー。自動車雑誌やWebメディアでは、スマホのカメラの高性能化などで昔ほどプロのフォトグラファーの需要は多くはないですが、やはり素晴らしい感性と技術を兼ね備えたフォトグラファーが撮ったクルマやレースの1枚の写真は、人を感動させる力があります。自分が撮った1枚で、クルマ好きな人を増やしたいという人もいるし、とにかく自分がレースが好きだから、誰よりも間近で観たいためにフォトグラファーになったという人もいます。

 この職業には「こうすればなれる」という確約された道はないのですが、編集部に売り込みをしたり、大御所と呼ばれるフォトグラファーに弟子入りしたり、熱意があれば何かしらの道はありますので、まずは扉を開けてみてはいかがでしょうか。

 5つ目は、喋るのが大好き、人を観察したり、場を盛り上げるのが得意という人にチェックしてほしい、レースの実況やイベントを盛り上げる進行役をするサーキットDJ/サーキットアナウンサーです。日本全国には大きなサーキットから小さなサーキットまでたくさんあり、1年を通していろんなレースやイベントが開催されています。とくにレースの場合、お客さんがいる場所からはコースの全景が見えないので、目の前を通過したあとにどんな状況になっているのか、なかなかわかりません。それを、場内に流れたり最近はFMを使って流したりする放送で、みんなにわかりやすく、かつハラハラドキドキするような実況をするのが役目です。

 こちらも、現役のサーキットDJはいろんな経歴の持ち主がいて、クラブDJをやっていた人もいれば、もともと自分がレーサーでしゃべるのが好きなので転向した人もいるし、コミュニティラジオなどで喋っていた人がクルマやレースが大好きと言うことで、起用されたりする場合もあります。できればアナウンス学校などで基礎を勉強しておくといいですが、あとはクルマ好き、レース好きをアピールして売り込むのみです。ただ喋るだけでなく、事前に参加者の情報をチェックし、レース前の様子をインタビューして生の声を聞いておいたり、自分なりの工夫をして個性を出していくといいと思います。

 ということで、意外に知られていないけど、クルマに触れることができる職業を5つご紹介しました。技術系からパフォーマンス系まで、いろんな可能性がありますので、自分に向いているなと思うものがあったら、ぜひトライしてみてほしいと思います。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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