10分洗車テクニックはクルマを撮影するときにも使える
そして、ウインドウ速攻クリーニング最大のポイントは、フロントウインドウを極力きれいにしておくこと。安全視界の確保と、常に助手席の人の視界にも入るところだからだ。また、フロントウインドウをとくにきれいにしておくことで、ドライブ途中、突然の雨に降られてもワイパーが汚れを引きずらず、ギラギラ視界を低減できる効果もある。
また、ワイパーブレードとそのガラスとの接触部分(両方)もあわせてきれいにしておこう。その部分が汚れていたり、砂などが付いていたりすると、ワイパー使用時、ギラギラ視界の原因になるだけでなく、ガラスをキズつける可能性もあるからだ。
次に、用意してある濡れタオル、またはウエットタイプのガラスクリーニングシートを使ってアウタードアオープナーを拭き上げる。
そして、最後に4本のタイヤを、タイヤワックスとブラシでブラッシング磨きする。汚れて白くなったようなタイヤを、ただ濡れタオルなどで拭き上げただけでは汚れはほとんど落ちないし、タイヤワックスをスプレーしただけでも細部に入り込んだ汚れまでは落ちず、黒々とはなりにくい。ブラシを使うことで初めて、凸凹も多いタイヤの細部に入り込んだ汚れをかき落とせ、同時に隅々まで黒々とした艶が得られるのである。
ここだけは手間がかかるものの、黒いパーツが黒々としているだけで、クルマ全体がビシッと引き締まって見えることから、手は抜けないポイントとなる。なぜタイヤが一番後かというと、洗車の基本としては、車体でもっとも汚れのひどい部位となるタイヤ&ホイールから始めるのだが、お出かけ前の速攻クリーニングでは、ウインドウガラスやアウタードアオープナーを、タイヤのクリーニングで汚れてしまいがちな手で触りたくないからである(その手でウインドウを触れば油膜の原因になる!)。
とはいえ、「タイヤワックスとブラシまで用意するのは面倒」というのなら、タイヤワックスボトルにタイヤワックス塗り込み用スポンジが付いているタイプのアイテムを使うといい。とにかくスピーディに4本のタイヤに黒々とした艶を出すことができるし、手も汚れない。
ちなみに1980年代から1990年代の一大洗車ブームの仕掛け人の一翼を担い、洗車本を何冊も書き下ろし、洗車ビデオを作り(CARトップなど)、過去にTVやラジオに洗車をレクチャーするために出演し、インターFMではカーメンテナンスの番組を持っていた”洗車大好き”な筆者のウインドウクリーニングアイテムは、ホコリがうっすら乗っているような状態ならウエットタイプのウインドウクリーニングシートを使うものの(急いでいる場合)、汚れがひどく視界に大きく影響するようなら、シリコン成分の入っていない自動車用のウインドウクリーナーを使う。
もう何年も使っているのは、呉工業ストナーシリーズの「インビジブルガラス」というもの。界面活性剤や着色料を含まないので拭きスジが残りにくく、結果、スピーディに作業できるところがお気に入りで、もう手放せなくなっている。
なお、このテクニックは、ドライブ先でも使える。たとえば、ドライブ途中に雨に降られ、目的地に着いたときにクルマが汚れてしまっている状況下で、それでもクルマとともに写真撮影をしたい……なんていう場面にも速攻で有効だ。
というわけで、クルマが汚れていても、わずか10分でクルマをそれなりにきれいに見せる、お出かけ前の速攻・時短簡単ボディクリーニングのテクニックを使えば、同乗者に失礼にならず、気持ち良くドライブできるだけでなく、クリーンな視界による安全運転にもつながるのだから、ぜひ、参考にしていただきたい。