この記事をまとめると
■新車をオーダーしても最近は半年ほど待つのが当たり前になっている
■半導体不足と言われているが、それ以外のパーツにも納期遅延が発生
■車種によっては比較的納期が短いものも
クルマが全然手に入らない今、比較的納期が短い穴場物件
最近はクルマの納期が全般的に長い。3カ月に達する車種が多く、半年以上を要することも珍しくない。2カ月以下なら短い部類に入る。
納期の遅延について、開発者は以下のように指摘した。「新聞などの報道では、納期遅れの原因は新型コロナウイルスの影響による半導体不足と説明しているが、実情は違う。ワイヤーハーネスなどの部品から各種のユニットまで、半導体以外にも、数多くの品目で供給が滞っている。半導体の供給体制だけ整えれば良いという話ではない。また供給の滞りは不意に発生するので、納期も伸びたり縮んだり、不安定になってしまう」。
納期の長いクルマとして、ランドクルーザーの4年以上もあるが、これは根本的な生産体制の問題だ。生産総数の90%以上が海外で売られ、日本国内の割り当て台数がわずかだから、供給が滞って納期も伸びた。
ジムニーの納期も、新型コロナウイルス問題の発生前から1年以上に遅延していた。そこでジムニーは増産を行い、1カ月の届け出台数を2018年の発売直後に比べて2倍近くまで増やしたが、それ以上に人気が高く納期が1年以内に縮まらない。
その一方で、新型コロナウイルスによる納期遅延も多い。トヨタの販売店では以下のように述べた。「納期はSUVが全般的に長い。ヤリスクロスは約6カ月、カローラクロスも、ハイブリッドのついては約6カ月を要する。その一方でダイハツ製のルーミーやパッソは、2〜3カ月と短い。シエンタは、ハイブリッドは少し長いが、ノーマルエンジンであれば3カ月程度だ」。
ホンダの販売店は以下のように述べた。「ヴェゼルのe:HEV(ハイブリッド)は1年を要する。PLaYはさらに長く、今は受注を停止している。逆に軽自動車は比較的短く、N-BOXは2カ月、N-WGNやN-ONEも3カ月程度に収まる」。
ほかのメーカーについても、軽自動車には順調に納車できる車種が比較的多い(ただしスペーシアなどは半年近くと長い)。そのために2022年2月(単月)には、国内で新車として売られたクルマの40%を軽自動車が占めた。2021年は37%だったから、直近では軽自動車比率が高く、その背景には納期の短さがある。
納期を考えると、軽自動車がねらい目ともいえるが、不意に伸びることも多い。新車を買うなら、商談はなるべく早めに開始したい。