この記事をまとめると
■ソニーがEVの事業でホンダと提携することが発表された
■ソニーVISION-Sとホンダeはどちらもダッシュボード全面液晶を持つが各々の印象は異なる
■ソニーのセンサー技術とホンダの自動運転技術の融合による次世代モビリティに期待
日本が世界に誇る異業種企業による合弁会社がEVで実現
ソニーが、VISION‐S01とS02と相次いで電気自動車(EV)の試作車を発表し、米国のアップルカーと同様に人々の注目を集めた。走れる試作車とするため、S01とS02は、欧州の自動車関連メーカーの協力を得て製造された。
本格的EV参入へ向け、この先どのような提携が生まれるか関心が高まるなか、ホンダとの提携が発表になった。
両社とも熱狂的愛好家を持つメーカーだけに、大いに注目する記者会見でもあった。両社長の話ぶりを見て伝わるのは、EVに対する未来像が具体的にあり、それに向かった協力者として最適との手ごたえを感じている様子であった。
ホンダは、一昨年にホンダeを発売した。当初の国内販売台数は1000台と消極的だったが、商品性においては、ダッシュボード全面に液晶画面を並べ、ドアミラーにはカメラ映像を利用するなど、先端技術と未来の情報・通信がもたらすEV価値の拡大を視野に入れた構想が現実化されていた。
ソニーのEV試作車も、ダッシュボード全面に液晶画面が並び、脱二酸化炭素のクルマというだけでなく、車内での娯楽を視野に入れた事業展開を強く意識させる仕立てとなっている。
両車両とも、ダッシュボード前面に液晶画面を並べたところは似ているが、比べると、ホンダeのそれはあくまでクルマのダッシュボードを前提とした造形に見え、ソニーのほうはあたかも劇場や居間で画面を見る室内空間を覚えさせた。