スゲーのができること確実! ソニーとホンダの提携で誕生するEVに「ワクワク」しかなかった (2/2ページ)

ソニーのセンサー技術とホンダの自動運転技術の融合に期待

 同じ技術を採用しながら、空間の環境づくりには違いが読み取れた。まさにそこが、ソニーとホンダが提携する意義であり、互いに専門分野からの意見をぶつけあい、新しい価値を生み出す原動力になるのではないかと心躍らせるのである。

 ソニーはまた、夜空の星を撮影したい、羽ばたく鳥の翼の動きを止めて見てみたいといったカメラ技術を進化させることによって、たとえば暗い駐車場から明るい通りへ出ていくような明暗の差の大きな場面をひとつの画像でとらえ、明暗両方に露出が合い、周辺のものを認識できる技術を実現した。これが、自動運転へ向け周囲の状況確認するうえで重要なイメージセンサー(映像技術)として、人間の目以上の高性能を実現する力となっている。

 ソニーには、その部分での事業化も視野に入ってくる。そこを実現できれば、クルマを自動で走らせる技術は自動車メーカーにほぼ出来上がっている。

 自動運転が実用化すれば、運転者がいなくなり、乗車する全員が同乗者となる。そのとき、車内でいかに過ごすか。仕事をする人もあれば、同乗者とのくつろぎの時間を過ごしたい人もあるだろう。単にクルマとしての空間だけでなく、劇場や居間のようなくつろぎの空間も求められるかもしれない。

 ソニーとホンダの提携は、まだなかなか姿が見えにくい次世代のクルマの具体像を明らかにする可能性を感じさせる。自動運転の実現は、自動車メーカーだけで成せることではない。

 ホンダはまた、今回の合弁会社設立を自社でのEV開発と別枠の事業と位置付けている。一度の失敗は許されるという本田技術研究所の気風そのままに、挑戦することに力点を置いた合弁ともいえそうだ。そこにホンダらしさが現われている。

 ソニーとホンダの合弁事業は、EVと自動運転を組み合わせた次世代のクルマ社会が、どのような未来を描いていくかを具体化してくれる期待や希望を抱かせる。だから心躍るのである。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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