キレイ好きは「ガマン」が必要! 洗車は「少ないほうがいい」とプロが断言する理由とは (2/2ページ)

「洗車はなるべくしないほうがいい」には前提がある

 さて、「洗車はなるべくしないほうがいい」という持論には絶対条件がある。それはプロのコーティングが施されているという前提だ。

 いま乗っているクルマは2014年型だが、新車時に自身の手で(!)プロ仕様のコーティングを施し(ボディ表面はもちろん、ボンネットの内側、エンジンルーム、ドアの内側、ピラー、ホイールまで!)、現在は定評あるキーパーラボでEXコーテイングを施工してある。

 その前提、ボディが強固なコーティングで守られているからこそ、「洗車はなるべくしなくて済む」のである。もちろん、鳥のフン、ピッチ、黄砂などがボディに付着すれば、スポット、または全体の洗車を行うものの、それ以外のちょっとした汚れ程度では「なるべく洗車をしない」、というより、不用意にボディに触らないようにしている。

 そして筆者が満を持して行う洗車方法にもコツがある。それは、めったにやらないからこそ、「徹底的に洗う」である。洗車コンディションのいい日を選び(風の強い日、直射日光下は避ける)、ボディ全体、タイヤ&ホイール、下まわりのシャンプー洗車または高圧洗車はもちろんのこと、ボディの細部、合わせ目などまで、ブラシを使ってシャンプー併用で洗いまくるのだ。そうしておくと、例えば、雨でボディが濡れた後に、ドアミラーやドアアウターハンドルなどの下に線状に付着する水垢被害も低減できるのである。

 線状に水垢が垂れるのは、ドアミラーステーやドアアウターハンドル、ガーニッシュなどの中にたまった汚れが雨水といっしょに泥汚れとして垂れ、そこに紫外線が当たって水垢になったりするのだが、その中(というか現実的には隙間)までブラッシングによってきれいにしておけば、そうした水垢被害も最小限に抑えられることになる。

 自身の考えでは、ボディ表面だけのざっくりした洗車を2回するより、しっかりした洗車を1回するほうが、「ボディを美しく保ちやすい……」という結論になる。

 もちろん、ビーチドライブの帰りには、すみやかにコイン洗車場に立ち寄り、シャンプーと高圧の水で下まわりを含め、サビやキズの原因になる塩分を含んだ砂を徹底的に洗い落としている。雪道の帰りも同様だ。

※写真はイメージ

 究極は、キーパーラボなどの信頼できるカーコーティング業者に上級コーティングを施してもらい、汚れが気になるレベルになったら、そのタイミングでプロの手による手洗い洗車を依頼することだろう。その分だけ費用はかかるが、自身で大量の洗車用品を購入しなくて済むし手間いらず。1台のクルマに10年は乗り続けることもある筆者の場合、長年にわたるボディコンディションの維持を考えれば、経験上、それほど高くつくことにはならないと思っている。

 以上の「洗車はなるべくしないほうがいい」という理論は、あくまで筆者の洗車歴40年以上の経験から導き出した、プロによるボディコーティングが施されたうえでの持論、結論であるため、すべての人にとってそれがベストとは言えないことをお断りしておきたい。「洗車はしないほうがよい」、ということでは決してないので、誤解のないように。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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