昨年まで買えたクルマの初期モデルはまさかの2008年生まれ
そして6月にはスバルから現在に至るまで唯一の水平対向エンジンを積んだ7シーターミニバン「エクシーガ」が誕生した。エンジンは2リッター4気筒ボクサーで、トップグレードとしてターボ仕様もラインアップ。
NAエンジンはFFと4WD、ターボは4WDのみの設定となっていたが、ターボ4WDの駆動システムはスポーティなVTD式となっていたのは、スバルらしいハイパフォーマンス・ミニバンというキャラを強く印象付けた。
少し飛ばして、10月にはトヨタからiQが登場している。全長2985mmという軽自動車よりも短いシティコミューターであり、トヨタは「マイクロプレミアムカー」と呼んだ小さな高級車を目指したモデルだった。
これだけ小さなボディながら4名乗車が可能なパッケージや、後席乗員を守るためのリヤウインドウカーテンシールドエアバッグといった装備も記憶に残る。デビュー当初のパワートレインは1リッター3気筒エンジンでトランスミッションはCVT、FF駆動のみとなっていた。
11月には日産キューブがフルモデルチェンジを受けた。後ろから見ると印象的な左右非対称ボディ、スクエアなフォルムを生み出す余裕たっぷりのキャビンといったキューブのアイデンティティはそのままに、より印象的でキュートなスタイルに変身したのが、この3代目だ。
ちなみに、初代キューブは日本専用モデルだったが、2代目からは欧州や北米でも発売、グローバルなコンパクトモデルへと進化していたのだった。
軽自動車では11月にフルモデルチェンジしたスズキ・アルトラパンがある。初代ラパンのスマッシュヒットを受けて2代目へと進化したラパンは、可変バルタイ機構付きのNAエンジンとターボエンジンを設定。
名前からはアルトのバリエーションと思いがちだが、プラットフォームはワゴンR譲りで、静粛性も高く、14インチタイヤを履きこなす実力を持っていた。うさぎをモチーフとしたエンブレムから軟弱なモデルとあなどれない、驚くほど走りの満足度は高かった。
12月にフルモデルチェンジを果たしたのが日産フェアレディZ(Z34)だ。当時は、まさか2021年まで販売される長寿モデルになるとは思いもよらなかったが、軽量化・ショートホイールベース化したボディに、3.7リッターV6エンジンを積むというパッケージは、ピュアスポーツとしてフェアレディZらしさを体現したもの。
自動的にエンジン回転を合わせてくれるシンクロレブコントロール付き6速MTも新しい装備として注目を集めたものだ。
とまあ、ホンダ・フリード(初代)、スバル・エクシーガ、トヨタiQ、スズキ・アルトラパン、日産キューブ、日産フェアレディZといったモデルの初期型は、2022年に自動車税・軽自動車税の重課対象となる。
こうしてあらためてスタイルを見ると、まだまだ新鮮味が残っている上に、実際の燃費性能でもガソリン車としては十分に実用的なモデルが重課対象というのは納得できないかもしれない。しかし、民主主義において政治家が決めた制度というのは、それが国民の総意であるというのが建前である。おかしいと思う部分があれば、ひとりひとりがしっかりと考えた上で一票を投じるしかないのだ。