【試乗】パイロットスポーツ5は圧巻の「全方位」性能! 加えて「見た目」まで最高だった (2/2ページ)

ミシュランはドレスアップシーンでも目立つことを目指した

 トレッド面は非対称ブロックであり、イン側はポイド比を高めている。つまり、溝の面積を増やすことで排水性を得ている。一方、コーナリング中に荷重が強く加わるアウト側のブロックを大型にして剛性を確保しているのだ。

 とくに印象的だったのは、インフォーメーションが確かに伝わってきたことだ。ウエット路面だから当然、速度を追い込むに比例して限界が顔を覗かせはじめる。その限界域の予兆が伝わってくるのだ。

 粘って粘って突然スパッとながれる……といった悪癖はない。路面を手のひらでしっかりと握りしめているかのような、安定したグリップ感なのである。先代のパイロットスポーツ4に比較して、あきらかに高いウエット性能が確認できた。

 ミシュランは、ドレスアップアイテムのひとつとしてタイヤを組み込むプロジェントを進行中だ。フルリングプレミアムタッチと呼ばれるサイドウォールの技術がそれ。ミシュラン、ビバンダム、パイロットスポーツ……そういったロゴが視覚的に浮き上がるような細工をしているのだ。黒くて丸い塊に表情を刻んだといえる。

 というように視覚的にも存在感を増したパイロットスポーツ5である。だが、タイヤを見ることができない運転中のドライバーにも、履いているシューズがパイロットスポーツ5であることは、ひとたび路面がウエットになれば、その素直なハンドリングで感じることができるだろう。


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