ハンドルロックをかけるだけでも効果大
すぐにでもできるのは、クルマを離れる際は「ハンドルロック(ステアリングロック)」をかけること。ハンドルロックは、どのクルマにも標準化されている防犯機能で、エンジンを止めて、キーを抜いた状態で、「カチッ」音がするまでハンドルを動かすだけでロックがかかる。このハンドルロックがかかっていると、窃盗犯がキーシリンダーを壊し、エンジン始動に成功させたとしても、ハンドルがロックされて動かないので、盗難を防ぐことができる。
プロ中のプロには通用しないが、意外に効果は大きく、このハンドルロックのおかげで窃盗未遂で済んだ例は少なくない。
さらに、カー用品店などで売っているバー式ハンドルロックを併用すると、防犯意識が高いことがアピールでき、より高い効果が期待できる。
あとは、新しい年式の自動車を狙うCANインベーダーという手口の対策の1つとして、クルマの左側面を壁際に駐車し、左前のタイヤ付近に人が入り込めないようにするのもひとつの手。
リレーアタック対策には、スマートキーを電波遮断ポーチに入れて保管する。
その他、防犯カメラを設置したり(ダミーでもないよりマシ)、人感センサーライトも欲しいところ。
警察庁によると、自動車盗の認知件数は、平成15年(6万4,223件)がピークで、令和2年は5,210件とピーク時から12分の1以下にまで減少しているとのことだが、手口はますます巧妙化しているらしい。
また、日本損害保険協会の調べでは、車両本体盗難の発生場所の51.3%が「自宅(屋外)」で発生しており、「契約駐車場(屋外)」も含めると、車両本体盗難の74.1%が屋外で発生!
盗難発生時間帯も、2018年11月は「深夜~朝(22~9時)」が75.8%だったのが、2020年2月には70.3%となり、日中(9~17時)が10.1%→14.2%に増えていて、犯行が大胆になってきている傾向が……。
車種別では、相変わらずレクサス、ランドクルーザー、プリウス、アルファード、ヴェルファイアなどのトヨタ車の意外が多く、さらに90年代のスポーツカーの盗難も増えてきている。
これらのクルマに乗る人は、カーセキュリティの専門店で最新のセキュリティーをインストールし、ココセコムやAirTagなどのGPS追跡装置などの利用も考えたい。
そして最後の手段として、車両保険を十分かけておくこと。
いずれにせよ、「たかがチラシ一枚」と油断せずに、窃盗グループに目をつけられたかも、と思って用心に用心を重ねておいたほうが安心だ。