半世紀以上前のピュアスポーツはいま乗っても楽しい
これ以外のこと、たとえば屋根があるとかないとかは些末なこと。
エンジンはNAのほうが軽くできるし、車体が軽ければパワーのなさは相殺できるのでOK。
もっとも、現代の技術を使えば、車体が重くても、ターボエンジンでも、4シーターでも、FFでも4WDでもセッティングと電子制御次第で、滅茶苦茶速くて、滅茶苦茶よく曲がるクルマだって作れてしまうし、そうしたクルマはいくつかある。
ただし、それらのクルマはピュアスポーツカーとはいえないし、タイヤへの依存度が高いので、タイヤやブレーキの消耗が速い。そのため、タイヤが摩耗したり、クルマが古くなって、ボディやダンパー、ブッシュなどがヤレてくると途端に乗り味が悪くなる……。
それに対し、スーパー7やエランなどは半世紀以上前の設計だがいま乗っても楽しいし、30年前に登場したユーノスロードスターだってスポーツカーとしての魅力は満点だ。
このように、ピュアスポーツカーの文法どおり作られたクルマは、セッティングやマテリアルに頼らず、物理の法則の法則に忠実に作ってあるので、ずっと“スポーツ”が楽しめるのが最大の特徴。
誤解してはいけないのは、スパルタン=ピュアスポーツカーというわけではないところ。いの時代にピュアスポーツカーを作るのなら、パワステやエアコン、ABSがついていたって、立派なピュアスポーツカーといえるはず。上記の条件さえクリアしていれば、AT車だってピュアスポーツカーの仲間入りができるだろう。
さすがにESC(Electric Stability Control)などは、ピュアスポーツには似合わないかもしれないが、装備されていたとしても任意にカットできれば問題ないし、電子制御スロットルも電スロ自体が悪いのではなく、セッティング次第だったりするわけで……。
本物のスポーツカーのスピリッツをもったピュアスポーツカーは、いつの時代にも必要で、これからだって出てきて欲しい。