いまこそ「ダサさ全開」の日本のナンバープレートを変えるべき! 新車が売れて「電動化」が進む可能性も  (2/2ページ)

サイズを変えることにより新車が売れる可能性も

 お隣韓国では、かつて日本のサイズに近い縦横比のナンバープレートだったものを、2006年に欧州サイズの横長タイプに変更した。またそれまでは日本の事業者用プレートと同じ、緑地に白文字だったのが白地に黒字となったので、当時かなりスタイリッシュなナンバープレートになったと感じた。それまでの韓流ドラマを見ていても、主人公が格好いい欧州車に乗っていても、ナンバープレートの“ダサさ”が気になっていた。いまの韓国車は乗用車に限らず、日本車に比べても先進的でスタイリッシュになっている。かつて日本の軽自動車について、黄色地に黒文字のナンバープレートが車両デザインに少なからず悪影響を与えているといった話を聞いた。韓国では自国のナンバープレートが欧州サイズとなったことで、グローバルでスタイリッシュなモデルが生まれやすくなったのかもしれない。

 ナンバープレートの変更は新車販売にも影響を与える。30年ほど前に埼玉県において“春日部ナンバー”が誕生した。いまでこそ人気アニメの聖地として有名なのだが、当時はそれほど有名でもなく、近くに県内最大都市となる大宮もあるので、決して“華やかな街”ではなかった。そして東京のベッドタウンとして住宅開発が盛んだった久喜市が大宮ナンバーから春日部ナンバーに変わることとなった。すると、春日部ナンバーへ代わる直前に「大宮ナンバーのうちに」と、ちょっとした新車の特需があったとのこと。

 好むと好まざるとにかかわらず、プレートサイズが抜本的に変更されれば、それまでのナンバーのついているクルマは古臭さが増してくる。そうなると、「それじゃ新車に乗り換えるか」といった“特需”も生まれやすい。幸いにしてというのもなんだが、いまは世界的サプライチェーンの混乱による生産遅延で、新車の納期も大幅に遅延しており、いますぐ導入するにはタイミングはいまいち。少し時間がかかるかもしれないが、生産状況が改善するころにプレートサイズ変更が実施できるように話し合う時間ができたと前向きに考えることができるだろう。

 中国では、白地と緑字のグラデーションとなる新エネルギー車専用プレートを用意している。日本では電動車普及への動きはHEV(ハイブリッド車)を除けば、すべてにおいて出遅れ感が目立っているので、新しいナンバープレートは電動車普及に弾みをつける一助になるはずである。

 日本は社会が硬直化し、“出る杭は打たれる”ではないが、新しい意見や、目立つことを行うと、“つぶされる”ことも多い。ただ、制度が形骸化していたり、付け焼刃的に延命させるのであれば、勇気をもって全面変更すべきものと考える。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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