ドライバーが貨物輸送に流れている
「感染力の高いオミクロン株の感染拡大もあり、極力人ゴミを避ける人が増え、それまでたとえば1000円ほどのタクシー利用だったのが、1500円になったりするケースが増えてきているそうです。このような比較的短距離利用をできるだけ漏らさないようにして、コツコツと営収を積み上げるような事業者が潤っているようです。コロナ禍ならではの営業指導を模索せず、昔ながらの“深夜のロング”に期待する事業者は伸び悩んでいるようです」(事情通)。
新型コロナウイルスの感染拡大が始まってから、稼働台数を減らしているので、1カ月に乗務できる回数がほんの数回というケースも目立っていた(乗務回数が少ないので副業をしていることも多いようだ)。しかし、状況は回復傾向にあるので乗務回数を増やそうとしても、現場を離れる時間の多かった乗務員がそのまま離職してしまうケースが目立っているというのである。
多くは、貨物(トラック)輸送に流れてしまったようで、とくにネットで購入した商品の宅配業務に多く人が流れたようである。コロナ禍前のレベルで乗務できれば、タクシー乗務員のほうが収入は良いこともあるようだが、度重なる緊急事態宣言やまん防が発出されるたびに、利用減となるなどタクシーの“波の大きさ”を嫌い、収入が減ったとしても。安定どころかまだまだ伸びしろのある、ネット通販の宅配のほうがいいとして、タクシーの世界に戻らない人が多いというのである。
飲食店の従業員も募集をかけてもなかなか集まらないという。これも感染状況次第ではすぐ解雇されるリスクがあるのを嫌った動きといえ、タクシーでも同様の動きが起こっているようなのである。高齢乗務員はコロナ禍を契機に引退する人も多い。本格的に経済活動が再開された時には、タクシー業界は深刻な乗務員不足に悩むかもしれない。