この記事をまとめると
■大型車のクラクションの音量は大きく聞こえる
■理由は大型車と乗用車でクラクションの種類が異なるから
■クラクションの規定について詳しく解説する
大型車と乗用車ではクラクションの種類が違う
大型バスや大型トラックは、車体も大きくて迫力があるが、クラクションも乗用車と違って“圧”がある。あれはクラクションの種類が違うからだ。
乗用車の場合、電気を使った「平型」と「渦巻き型」の2種類が主流。ベーシックカーだと「平型」のシングルも少なくないので、音も弱々しいというか、ちょっと情けないものも……。
一方、大型バスや大型トラックでは、圧縮空気を使ったエアホーンが標準だったりする。エアホーンはまさにラッパなような構造なため、ラッパの共鳴管が長く、エアタンクも必要で、場所をとることになるが、大型車なら取り付けスペースには困らないので、新車時からエアホーンが純正装着になっていることも多い。
純正装着ということは、当然保安基準クリアしているわけで、エアホーン=大音量=違法というわけではない。
陸運支局での車検では、とくに灯火類と音量を厳しくチェックされるが、クラクション、正式には「警音器」にも厳しい基準が定められている。
まず音量について。
「警音器の音の大きさ(2つ以上の警音器が連動して音を発する場合は、その和)は、自動車の前方7mの位置において112dB以下87dB以上(動力が7kW以下の二輪自動車に備える警音器にあっては、112dB以下83dB以上)であること」
そして「警音器は、サイレン又は鐘でないこと」というルールがある。
※「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」第141条(警音器)
ちなみに80dbだと地下鉄の車内ぐらいの騒がしさ、100dbで電車が通るときのガード下の音といわれているので、クラクションの基準音量は結構大きい!
また「音量、音色は一定で連続するもの」も条件なので、いわゆるミュージックホーンなどは違法になる。
具体的には
・音が自動的に断続するもの
・音の大きさ又は音色が自動的に変化するもの
・運転者が運転者席において、音の大きさ又は音色を容易に変化させることができるもの
は、保安基準違反だ。
これらの条件をクリアすれば、乗用車でもエアホーンは使える。フェラーリのクルマは、イタリアの FIAMM社製のエアホーンを装着していることでも知られている。
逆にトラック、乗用車に関わらず、社外品の大音量のエアホーン(とくに2連タイプなど)に交換し、上記の基準をオーバーすれば当然アウト。
保安基準に適合しないクラクションをつけているクルマは、「不正改造」とみなされ、整備命令を受けた後15日以内に改修して運輸支局で検査を受けなければならなくなる。
この指示に従わない場合は、50万円以下の罰金が科せられるので、甘く見ない方がいいだろう。