10万キロで「限界」なんて過去の話! 電動化時代のいま「エンジンの寿命」を探ったら内燃機関の偉大さがわかった (2/2ページ)

「20万kmまでは普通に使える」という開発者も多数

 こうした各部のメインテナンスをしっかり行っていれば、エンジンの寿命は一般的なイメージよりはかなり長い。とくに、働くクルマであるトラックやバス、またはタクシーなど商用車の場合、数十万kmに渡って丁寧に使うのは当然のことだ。

 それが乗用車になると、なんとなく状況が変わってくる。

 いまでも日本ではメーターが10万kmの大台を越えると、「こんなに走ったんだから、エンジンに無理がかかっていて、そろそろ限界かも」という心配をする人が少なくないのではないだろうか。

 中古車価格も、10万kmオーバー車の相場はどうしても下がってしまう。むろん、長年乗り続けたり、旧型を切望する、ランクル、ジムニー、ロードスターなどは例外的に10万kmオーバーでも価値が高いことがある。

 一方、アメリカの場合、一般的に日常でのクルマ利用頻度が日本より多いので、10万マイル(16万km)を越えても、アメリカ市場の主流であるピックアップトラックやSUVの残価はけっこう高い。メーカーのパワートレイン(エンジンやミッション)の補償も、10万マイルが基準になる場合も増えてきた。

 自動車メーカーのエンジン開発者らの声を聞くと「いまのクルマは、20万kmまでは普通に使えるのは、しごく当然のことだ」という人が多い。

 世の中、EVシフトが進んできたが、いまこそエンジンの偉大さを見直し、大切に使っていきたいと思う。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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