挙手挨拶を禁止としたバス会社も
コミュニケーション手段としてクラクションを使うのがダメなら、サンキューハザードやパッシングを、と思うかもしれないが、厳密にいうとこれらも法規違反……。
さらにいえば、数年前、「路線バスの運転手同士がすれ違うときに、手を上げて挨拶するのは危険だ」とバスの営業所にクレームを入れた乗客がいて、そのバス会社が挙手挨拶を禁止にしたとして話題になったことがあった。
一瞬片手運転になるとはいっても、シフトチェンジだってするわけだし、目線が逸れるといっても、運転中、バックミラーや対向車線、歩道側などに小まめに目線を動かすのは自然のこと。
バス運転手は挙手することで「異常なし!」とか「ご安全に」というやりとりをしているわけで、こんなことにクレームをつけるのはいかがかと思う。
しかし、現実には横浜市営バス(横浜市交通局)のように、「運行中に乗務員同士で挙手を行うこと」を社内規定(乗務員服務規程)で禁止し、明文化しているバス会社もある。
必ず挙手で挨拶するのがルールだとすれば、それはかなり問題だと思うが、プロドライバー同士が安全運転に支障がないと判断した場面で、挙手でコミュニケーションをとることは、決して無駄なことではなく有意なことだと思うのだがどうだろう?
クラクションでの挨拶は、他人に迷惑をかける可能性もあり、違法でもあるが、片手を上げて挨拶するぐらいの余裕がない方が、むしろ心配になってくる。
また、路上からバスに手を振るような子供がいたら、運転手さんは手を振り返してあげて欲しいし、乗客も地域の人もそれを温かく見守るような寛容さは欲しい。
挨拶は人間関係の基本。クラクションの使い方には留意して欲しいが、サンキューハザードや挙手での挨拶にまで目くじらを立てるのは、狭量な小人物と思われる。