“日本と同じシステム”というのが売りになっている部分も
ジャカルタ市内でも、7年ほど前に初めて訪れた時には、市内の路線バスでは専用レーンを走り、日本の鉄道のようにICカード式の改札を通って乗車する“トランスジャカルタ”以外は、ドライバー以外に“車掌さん”のような男性に運賃を払ったりする、かなりローカルシステムの強い乗車方法のバスばかりだったので、“乗りバス”の好きな筆者でも二の足を踏んでいたのだが、コロナ禍直前に訪れた時には、日本と同じワンマンバスのような車両とバス停がしっかり整備され、車内でICカードをタッチする方式となっていた。ただ、地元の人は逆にどうやって乗っていいのかわからない人も多いようで、結局車内にはICカードのタッチのやり方などを教える“お兄さん”が乗車していた。
中国や台湾、韓国あたりでも、日本と同じようにICカード(または現金)をタッチして路線バスに乗るのが当たり前の国や地域はあるのだが、自分の国ではまだまだそのようなスマートな乗り方ではない国々の人たちが、日本を観光などで訪れた時にICカードで乗車でき、しかも時刻表が存在する(道路渋滞で遅れることはあるが)ことにカルチャーショックを受けるようである。
ベトナムでも新興都市の開発はめざましいものがあり、ある新興開発都市では車両は韓国ブランドになったものの、路線バスを運行するシステムは日本の大手バス事業者のものが採用されており、“日本と同じシステムで路線バスが運行されている”ということが、その新興開発都市の“ウリ”になっているとのことである。
バスだけではなく、タクシーも含め、日本の旅客輸送における運行管理システムのレベルの高さは海外の人ではなくても目を見張るほどレベルの高いものとなっている。そしてわれわれは当たり前のように日々利用している。しかし、そのシステムを導入したいと考える国は多く、この分野ではまだまだ“日本ブランド”は高く評価されているようである。