金額によって差が出るのは車検整備
では、安い車検と高い車検の違いはどこにあるのか? 大きな割合を占める税金類、細かい手数料は同じなので差にはならず、一番は点検で、車検整備と言われる部分だ。つまり24カ月点検に基づくものだが、分解整備を伴うとはいえ、それほど複雑ではなく、外すものは外すとしてもザッと見て終わらせることは可能だ。不具合がないかどうかは確認するので危険ということはないが、最低限である。
一方、いわゆるベースから高い車検は、24カ月点検に含まれる項目はしっかりと見るし、それ以外のところもチェックする。少しでも気になるところがあればユーザーの了解は得つつ、早めの交換を行うこともある。時間がかかれば、点検工賃もそれだけかさむので高くなるのは当然だ。
単純に言って、安いか高いかはザッと見るか、じっくりと見るかの違い。また、最近の安い車検ではまったく見ないで通してしまったという事例も増えているだけに注意したい。もっと言ってしまえば高くても手抜きというのもある。問題が明るみになった、ディーラーの車検不正もあって、疑い出したらキリがない。ただ、安全に直結することだけに金額で判断するのではなく、どこまでをどう見てくれるのかを確認して、予算に限りがある場合は見積もりをもらって内容としっかり天秤にかけて、どこに出すかを判断したい。車検は受験時点の状態に問題ないことを確認しているだけで、先の2年間の状態を保証するものではない。この期間の安全を高めてくれるのは24カ月点検と言えるのでなおさらだ。