3列目シートの格納方法が異なる
そこで、すべての問題を解決しようと新型ノア/ヴォクシーが新採用したのが、「フリーストップバックドア」という新機構。パワーバックドアが装備されたグレードなら、ボディ両サイドにあるスイッチを押すだけで、バックドアを開けている最中にどの角度でも自由に止めることができます。じつは新型ステップワゴンにも、パワーバックドアが装備されたモデルでは好きな角度で止めることができる機能が採用されており、しかもその角度を記憶しておけるのが便利です。
でも、パワーバックドアが装備されないグレードでも、同じような使い方ができるのがノア/ヴォクシーのすごいところ。止めたい角度で一度、バックドアを手で押し戻すと止まる仕組みになっていて、その状態でもう一度押してもそれ以上開くことはなく、間違って開いてしまうようなこともないので安心です。試しにフリーストップバックドアを30度くらいの角度で止めてみましたが、この程度の隙間でもベビーカーはちゃんと積み込めそうだし、立ったまま荷室の整理をするような時でも便利だなと感じました。雨風が強い日に、なるべく荷室を濡らさないように荷物の出し入れがしたい、なんて時にもこれなら助かりますね。
さて、もう1点の3列目シートの格納方法ですが、セレナとノア/ヴォクシーは跳ね上げ格納タイプ。ステップワゴンは新型も従来通り、回転床下格納タイプを採用しています。
跳ね上げ格納タイプのメリットは、床に荷物が散らばっていても格納操作ができるし、床下収納もたっぷり使えるところです。でも、格納操作は最後にフックで固定する際などにとても重くて、女性が片手で操作するのはけっこうキツいものでした。また、格納した状態だと後方視界が邪魔されてしまうのも気になる点。でも新型ノア/ヴォクシーはその弱点を見事クリアし、なんとワンアクションで完全固定までの格納操作が完了。復帰操作もワンアクションで、これなら誰でも片手操作が可能です。しかも超薄型で、格納状態でも後方視界がスッキリ。荷物もたっぷり積めるようになっています。「こんなに薄くて、乗り心地は大丈夫?」と心配になりましたが、それほど不快ではなく、これなら長距離でもまずまずなのではと感じました。
一方、床下格納タイプの新型ステップワゴンは、3列目がくるりと回転するので操作が軽く、フロアが完全フラットになるのがメリット。まだ実際に試していないのでわかりませんが、3列目シートの厚みをアップし、乗り心地など快適性にこだわったとのこと。ジャンケンで負けた人が3列目シートに座る、なんて罰ゲームみたいなイメージのある3列目シートをなんとかしたいという、開発者の思いが込められているようで、試乗するのが楽しみです。
ということで、2列目シートの快適性がプレミアム化し、シートアレンジや荷物の積み込みの便利さが進化した新型ミニバン。ミニバンはまだまだ、ファミリーに優しくなれる乗り物なのだと実感したのでした。