劣化を遅らせるカギは駐車中にある
そしてもう1つ、信号待ちなどでアイドリングストップをしている時間が短くなってきます。メーターのバッテリー残量が満タンの場合は、当初は2分くらいの長い信号待ちでも最後までアイドリングストップできていたところが、だんだんと途中でエンジンが再始動するようになってきました。これも劣化の兆候の1つと言えるでしょう。
また、長く乗っているハイブリッドユーザーに聞いたところによると、長い上り坂を走っている途中で、いきなりエンジン音が大きくなったりするとのこと。これも、バッテリーのアシストが持たず、途中でエンジンのみに切り替わってしまうことが考えられます。こうした症状に心当たりがあれば、バッテリーの劣化が始まっていると言えそうです。
では、劣化を遅らせるにはどうすればいいのでしょうか。じつは、劣化を遅らせるカギは走行中ではなく、駐車中にあります。ニッケル水素とリチウムイオンの特性として、バッテリーがほとんど減った状態で駐車すると、バッテリーの寿命を縮めてしまいます。次回の走行時に充電がうまくできなくってしまう可能性もあるので、必ず、ある程度バッテリー残量が残っている状態で保管するようにしましょう。逆に、満タンの状態での駐車もバッテリーにとって負担になります。最近のハイブリッド車は、劣化を考慮して完全に満タンにならないよう制御されるモデルもありますが、意識してバッテリーを適度な残量に保つといいでしょう。
もう1つは、駐車中の熱に注意することです。とくに、夏場の閉め切ったガレージのような、熱がこもりやすい場所は最悪。直射日光が長時間当たるような場所も、バッテリーにとっては過酷な環境となります。できれば屋根や木などで日陰になり、風通しがよく熱がこもらないような場所で保管するようにすると、バッテリーをいたわることができるのです。
もちろんこのほかにも、夏場の長時間のノロノロ渋滞、燃費をよくしようと常に充電と放電を繰り返しながら走行することなども、バッテリーを酷使して劣化を招いてしまいますので要注意です。今日からできるバッテリーにやさしい行動で、少しでも長くいい状態を保ちたいですね。